KDDI(9433):適正株価を考える(2024年5月10日時点)

KDDI(9433):適正株価を考える(2024年5月12日時点)

KDDI(9433):適正株価を考える(2024年5月10日時点)

この記事のポイント
  • KDDI(9433)はNTTやソフトバンクと並ぶ国内大手電気通信事業会社の一社。個人向け通信(モバイル通信は国内2位)、国内・国際通信、法人向け・グローバルサービス(IoT基盤、ICT、データセンター)等の事業を営んでおり、国内・国外通信を問わず、専用線、固定電話サービス、携帯電話、プロバイダ、衛星電話といった幅広い電気通信サービスを提供しています。近年は通信サービスにとどまらず、2019年auカブドットコム証券に資本参加、じぶん銀行を子会社化、新電力のエナリスを子会社化、2024年にローソンを三菱商事と共同で買収・非公開化するなど、付加価値を創出しやすい事業領域(5G、DX、金融、エネルギー、LX、地域共創、宇宙、教育、ヘルスケア、モビリティ)に次々と進出しています。
  • KDDIは決算発表日(5月10日)に4,310.0円で取引を終えました。決算情報開示前の株式指標はPER14.4倍、PBR1.74倍、予想・実績配当利回りは3.25%となっています。今回の決算で2025年3月期の過去最高益予想、5円の増配(140円から145円に)が発表されたので、再計算するとPERは12.7倍、PBRは1.71倍、予想配当利回りは3.36%と計算できます。直近5年間の平均PERが12.6倍、PBRが1.73倍、予想配当利回りが3.46%であることを考えると、現在の株価がほぼ妥当な水準にあることが分かります。決算発表後のPTSでKDDI株が4,385.0円で取引されていたり、アナリストの目標株価が4,900円であることを踏まえると、やはりこのあたりが妥当な株価でしょう。
  • 今回の好決算&自社株買いを受けて、週明けの5月13日は株価が上昇して引けそうです。もっとも、現在の株価はほぼ妥当な株価水準なので大きく動くことはないと思われます。2025年3月期の業績を確認しながら、直近安値の4,250円から直近高値の5,080円の間でレンジ相場を作りそうです。一見すると投資妙味はなさそうですが、3,906円の位置に200週移動平均線が控えているので下値は固く、配当利回りが3%超、株主優待も100株以上の保有で2,000円相当(1年以上5年未満保有)または3,000円相当(5年以上保有)のポイントついているので、長期投資の銘柄としてはぴったりだと思います。NISAなどでの長期投資がおススメです。

KDDI(9433)とは?

「KDDIの成長戦略」KDDI2024年3月期決算説明会資料より

「KDDIの成長戦略」KDDI2024年3月期決算説明会資料より(画像をクリックすると拡大します)

KDDI(9433)はNTTやソフトバンクと並ぶ国内大手電気通信事業会社の一社です。個人向け通信(モバイル通信は国内2位)、国内・国際通信、法人向け・グローバルサービス(IoT基盤、ICT、データセンター)等の事業を営んでおり、国内・国外通信を問わず、専用線、固定電話サービス、携帯電話、プロバイダ、衛星電話といった幅広い電気通信サービスを提供しています。近年は通信サービスにとどまらず、2019年auカブドットコム証券に資本参加、じぶん銀行を子会社化、新電力のエナリスを子会社化、2024年にローソンを三菱商事と共同で買収・非公開化するなど、付加価値を創出しやすい事業領域(5G、DX、金融、エネルギー、LX、地域共創、宇宙、教育、ヘルスケア、モビリティ)に次々と進出しています。世界60都市100拠点にネットワーク網をもち、世界20都市40拠点でデータセンター「TELEHOUSE」サービスを提供するなど海外展開にも力を入れているので、今後の業績にも期待ができる企業です。

KDDI(9433)の業績は?

「KDDIの通期業績の推移」マネックス証券より

「KDDIの通期業績の推移」マネックス証券より(画像をクリックすると拡大します)

KDDIの通期業績の推移は上の画像のようになっています。2024年3月期の売上は5,754,047百万円(前年比:+1.5%)と増収を達成しましたが、2021年にミャンマーでクーデターが発生してリース債権が回収できない恐れがあること(引当金の計上)、低稼働通信設備の減損・撤去引当計上等の一過性影響で、純利益は637,874百万円(同:△5.8%)と前年割れで着地しています。しかし、2025年3月期は一過性の影響の反動とローソンの買収効果によって、売上高5,770,000百万円(前年比:+0.3%)、純利益690,000百万円(同:+8.2%)と増収・増益を見込んでいます。ここ数年の積極的な企業買収と事業の多角化によって業績の安定度が増してきており、今後も増収・増益基調を維持していくと思われます。長期投資に最適な銘柄と言えそうです。

KDDI(9433)の適正株価は?

「KDDIのPER・PBR・予想配当利回り・実績配当利回りの推移(2024年5月10日時点)」マネックス証券より

「KDDIのPER・PBR・予想配当利回り・実績配当利回りの推移(2024年5月10日時点)」マネックス証券より(画像をクリックすると拡大します)

KDDIは決算発表日(5月10日)に前日比+27円の4,310.0円で取引を終えました。決算情報開示前の株式指標はPER14.4倍、PBR1.74倍、予想・実績配当利回りは3.25%となっています。今回の決算で2025年3月期の過去最高益予想、5円の増配(140円から145円に)が発表されたので、最新の決算数値に基づいて再計算すると、PERは12.7倍、PBRは1.71倍、予想配当利回りは3.36%と計算できます。直近5年間の平均PERが12.6倍、PBRが1.73倍、予想配当利回りが3.46%であることを考えると、現在の株価がほぼ妥当な水準にあることが分かります。

「KDDIの目標株価コンセンサス」マネックス証券より

「KDDIの目標株価コンセンサス(2024年5月10日時点)」マネックス証券より(画像をクリックすると拡大します)

実際、決算発表後のPTS(私設取引所のことで、時間外取引ができる)でKDDI株が4,385.0円で取引されていたり、アナリストの目標株価が4,900円とされているので、今の株価水準はやはり決算情報(2024年3月期・2025年3月期)を織り込んだ適正株価だと言えそうです。

ただし、KDDIは決算発表と同時に自社株買い(発行済み株式数の3.78%にあたる8700万株・金額で3000億円を上限に自社株買いを実施)を発表しています。この自社株買いはトヨタ自動車の株式を買い付ける形で実施されるため相場への影響はほぼないと思われますが、KDDIは株価水準や業績の進捗度合いに応じて適時自社株買いを発表するなど株主還元に力を入れています。今後も株主還元が積極的に行われる可能性を考慮すれば、目先の株価は4,500円から5,000円くらいに落ち着きそうです。

KDDI(9433)の株価はどう動く?

「KDDIの5年週足チャート(2024年5月10日時点)」マネックス証券より

「KDDIの5年週足チャート(2024年5月10日時点)」マネックス証券より(画像をクリックすると拡大します)

今回の好決算&自社株買いを受けて、週明けの5月13日は株価が上昇して引けそうです。もっとも、現在の株価はほぼ妥当な株価水準なので大きく動くことはないと思われます。2025年3月期の業績を確認しながら、直近安値の4,250円から直近高値の5,080円の間でレンジ相場を作りそうです。一見すると投資妙味はなさそうですが、3,906円の位置に200週移動平均線が控えているので下値は固く、配当利回りが3%超、株主優待も100株以上の保有で2,000円相当(1年以上5年未満保有)または3,000円相当(5年以上保有)のポイントついているので、長期投資の銘柄としてはぴったりだと思います。NISAなどで投資し、そのまま放置しておけば大きなリターンが得られそうです。

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