目次
日経平均はいつ底を打つか?
- 日経平均の下落が続いています。6ヵ月日足チャートをみると、3万3,500円の価格帯で3度も株価が押し返されており、綺麗なトリプルトップを形成していることが分かります。目先(今月から来月頭くらいまで)は下落基調となりそうです。
- ただし、200日移動平均線(3万287円)、52週移動平均線(2万9,715円)、過去の抵抗線(2021年2月と9月の高値)が近づいてきています。テクニカルの観点からみれば、短・中期的には反発しそうです。
- 一方、OECDの景気先行指数をみると、世界経済は景気の転換となる100を下回ってはいるものの、底打つ動きを示していることが分かります。同指数は実際の株価の動きよりも3~6か月程度先行することから、来年の頭から4月頃には株価が回復へ向かうと予想できます。
- ただし、日本の景気先行指数は回復へ向かう世界経済を尻目に、緩やかに落ち込み続けています。経済実態が依然として苦しいため、本格的な反転を迎えるかは不透明な状況です。長期投資目的で資金を大量投下するのは避けた方が良いでしょう。
日経平均は下落が続くが、テクニカル分析の観点からみると反発は近い
日経平均が下落する日が続いています。6ヵ月日足チャートをみると、3万3,500円の価格帯で3度も株価が押し返されており、綺麗なトリプルトップを形成していることが分かります。目先(今月から来月頭くらいまで)は下落基調となりそうです。ただし、この下落がずっと継続するかと問われると、なんとも言い難い状況です。というのも、200日移動平均線(3万287円)、52週移動平均線(2万9,715円)、過去の抵抗線(2021年2月と9月の高値)が近づいてきているからです。
先の日経平均の6ヵ月日足チャートをみると、水色の200日移動平均線が迫ってきていることが分かります。200日移動平均線はざっくり表現すると過去1年間の平均株価を表しており、多くの投資家が注目する指標の一つです。株価がこの移動平均線付近まで落ちると、押し目買いを狙う人も出てくるため、ここで反発する可能性は高いと考えています。
また、日経平均の5年週足チャートに目を向けると、52週移動平均線(2万9,715円)と過去の抵抗線(2021年2月と9月の高値)も迫ってきていることが分かります。テクニカル分析の観点から言えば、中期移動平均線(52日移動平均線)は200日移動平均線と同様に注目を集めやすいので、株価が反発しやすいポイントとなっています。加えて、過去の抵抗線(株価の上昇を阻んだライン)は支持線(株価が反転するライン)として機能しやすいことから、やはりこの付近(3万円前後)で一度は反発するだろうと考えています。
<補足&広告>
「マーケットのテクニカル分析――トレード手法と売買指標の完全総合ガイド」というテクニカル分析の本では、前述の抵抗線と支持線の関係性など、テクニカル分析に必要な情報が網羅的に解説されています。変なセミナーに参加するよりもはるかに為になるので、投資の勉強がしたいという方はぜひご一読ください!
ファンダメンタルの観点からみると世界経済は底打つ動き(日本経済は道半ばだが…)
最後に、ファンダメンタルの観点から日経平均の動きを分析したいと思います。OECDの景気先行指数をみると、世界経済は景気の転換となる100を下回ってはいるものの、底打つ動きを示していることが分かります。同指数は実際の株価の動きよりも3~6か月程度先行することから、来年の頭から4月頃には株価が回復へ向かうと予想できます。
もっとも、日本に限ってみれば景気先行指数は緩やかに下落を続けています。いずれは世界経済の動きに合わせて日本経済も上向くと思われますが、目に見える形となっていない以上、しばらくは日経平均株価も軟調に推移しそうです。
まとめ
日経平均はテクニカル分析の観点からみれば短・中期的に反発しそうです。ただし、経済実態が依然として苦しいため、本格的な反転を迎えるかは不透明な状況です。目先は短期的な取引に徹し、長期投資目的で資金を大量投入するのは止めた方が良いでしょう。