セーフィー(4375):上場来最安値を大きく更新。株価が下落する要因は?|注目銘柄分析

セーフィー(4375):上場来最安値を大きく更新。株価が下落する要因は?|注目銘柄

この記事のポイント
  • セーフィー(4375)の22年5月17日の終値は746円となり、上場来最安値を大きく更新しました。
  • 株価下落の要因として、成長力鈍化に対する懸念、機関投資家の空売りによる需給悪化、アメリカの利上げに伴うグロース市場からの資金流出という3つの要因が考えられます。
  • いずれの要因も短期的な解決が見込めません。投資を考えられている方は、取引量を減らすか、気長に静観したほうが良さそうです。

【前回の記事はこちらです】

セーフィー(4375):反転の兆し。上昇トレンドに転じるのはいつか?|注目銘柄分析

セーフィーの株価は上場来最安値を大きく更新

「セーフィー(4375)の6ヶ月日足チャート」マネックス証券より(画像はすべてクリックすると拡大します)

「セーフィー(4375)の6ヶ月日足チャート」マネックス証券より(画像はすべてクリックすると拡大します)

セーフィー(4375)の株価が軟調です。2022年5月13日の終値は746円(前日比:-10.0%)で、上場来最安値を大きく更新。節目として機能していた1,000円の支持線をあっさり突破し、底値が見えない状況となっています。株価の下落時に出来高が大きく膨らんでいることから、まだまだ下降トレンドが続きそうな形です。

今回は、なぜセーフィーの株価がここまで下がるのか分析してみたいと思います。

セーフィーの株価が下落する3つの要因

①成長力の鈍化に対する懸念

「セーフィーの経営計画と四半期売上高の推移」同社IR資料より

「セーフィーの中期経営目標と四半期売上高の推移」同社IR資料より

株価が下落する要因として、①成長力の鈍化に対する懸念が挙げられます。

セーフィーは中期経営目標として「2025年12月末にARR 200億円~250億円」、「2021年12月期 ~2025年12月期CAGR(年平均成長率) 37%~45%」という高い目標を掲げています。しかし、5月17日に公表された2022年12月期第1四半期の決算をみると、売上高が前四半期を割り込んでおり、成長力に陰りが見え始めています。

20年第4四半期と21年第1四半期の売上高をみると、今期と同じように若干売上高が減少しているので、下期にかけて巻き返せるのかもしれません。ただ、既に営業力の強化に大きく投資していることや課金カメラ台数の目標値を下方修正した前科があることを考えれば、成長力の鈍化を懸念して市場が警戒するのも不思議ではありません。

MEMO
セーフィーの中期経営目標にあるARRとはAnnual Recurring Revenue のことで、各四半期末の月次リカーリング収益を12倍した数字を意味しています。同社の売上高は物販(カメラの仕入れ販売)や工事費などから生じるスポット収益とクラウドやアプリケーションの販売から生まれるリカーリング収益から構成されますが、このリカーリング収益だけの数字になります。

②機関投資家の空売りによる需給の悪化

「2022年5月時点のセーフィーの株主構成」四季報データより

「2022年5月時点のセーフィーの株主構成」四季報データより

セーフィーの株価が下落する要因として、②機関投資家の空売りによる需給の悪化が指摘できます。

セーフィーの株主構成をみると、創業者や取引先などが保有する特定株が多く、市場に流通する浮動株が少なくなっていることが分かります。浮動株が少ないと取引できる株式数が減ってしまうので、市場の流動性が低くなり、豊富な資金を持つ機関投資家がほんの少し空売りを行うだけで株価が大きく変動してしまいます。つまり、セーフィーは構造的に価格の変動が大きい銘柄だと言えます。

「セーフィーの空売り残高情報」karauri.netより

「セーフィーの空売り残高情報」karauri.netより

上の画像をみると、セーフィーに対してGOLDMAN SACHSやIntegrated Core Strategiesといった複数の機関投資家が空売りを行っていることが分かります。その規模はざっとみただけでも発行済株式数の1~2%程度(ほぼ浮動株の半分)に達しているので、需給関係の悪化から株価の下落は当然のことかもしれません。

なお、一度撤退したかに見えたモルガン・スタンレーMUFGも、第1四半期の決算発表の直前から再び空売りポジションを構築しています。あくまで推測ですが、今回の決算明け後の急落はモルガンス・タンレーMUFGが主体になって仕掛けたものかもしれません。

➂アメリカの利上げに伴うグロース市場からの資金流出

「アメリカインフレ率の推移」世界経済のネタ帳より

「アメリカインフレ率の推移」世界経済のネタ帳より

セーフィーの株価が下落する要因として、➂アメリカの利上げに伴うグロース市場からの資金流出が考えられます。

米連邦準備制度理事会(FRB)は2022年5月4日に、政策金利を0.5%ポイント引き上げ、0.75%~1%の幅にすると発表しました。コロナ禍からの経済回復やロシアによるウクライナ侵略を受けてアメリカのインフレ率が7.68%(22年4月時点)に達したことから、実に22年ぶりとなる0.5%ポイントの大幅利上げに踏み切った形です。

「ナスダック総合指数と東証マザーズ指数の週足チャート」investing.comより

「ナスダック総合指数と東証マザーズ指数の週足チャート」investing.comより

こうした金利の引き上げは株式市場にとってマイナスな影響を及ぼします。例えば、金利が上昇することで借入金利が上昇し、設備投資が難しくなってしまいます。また、金利が上昇すると安全資産(銀行や政府債)の魅力が増えるので、短期的に資金が回収ができない高成長株は相対的に敬遠されてしまいます。

したがって、金利の引き上げは株式市場(特にグロース市場)の株価下落の大きな要因となります。上の画像をみれば、利上げ観測が強まるにつれて、ナスダック総合指数や東証マザーズ指数といった代表的なグロース市場の株価指数が下落(資金流出)していることは明らかです。

まとめ

セーフィーの株価が下落する要因として、株価下落の要因として、①成長力鈍化に対する懸念、②機関投資家の空売りによる需給悪化、➂アメリカの利上げに伴うグロース市場からの資金流出という3つの要因が考えられます。

①成長力鈍化に対する懸念を払しょくするには、第2四半期以降の決算発表を待たなければなりません。これは、②機関投資家の空売りによる需給悪化についても同様です。➂アメリカの利上げに伴うグロース市場からの資金流出については、現在進行中のインフレがウクライナ情勢を始めとする様々な要素が絡み合っているため、いつインフレが収束するのか、さらなる金利の引き上げが必要になるのかなど、誰にも先が読めない状況が続いています。

したがって、セーフィーの株価は一時的な反発はしても、本格的な株価上昇はまだまだ先の話だと考えています。投資を考えている方は売買量を減らすか、静観したほうが良さそうです。

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