日経平均は大幅下落、今後の動きは?|株式市況分析

今後どうなる日経平均

日経平均は大幅下落、今後の動きは?|株式市況分析

この記事のポイント
  • 2021年6月21日の日経平均は953円安の28,010円(前日比-3.29%)と4か月ぶりの下落幅になりました。かろうじて28,000円台をキープしたものの、しばらく不安定な状況が続きそうです。
  • 6ヶ月日足チャートをみると、右肩下がりの青い抵抗線に上値を抑えられていることが分かります。赤い支持線と紫の200日移動平均線が迫っているので、27,000円前半で一旦は支えられると思います。ただし、テクニカル的には今後赤い支持線を割る可能性が高いと思います。
  • 長期チャートから見た、下落目途としてはオレンジの長期移動平均線がある26,500円、抵抗線として3度にわたって上値を抑えた24,000円(赤い抵抗線)あたりが重要な支持線になりそうです。
  • コロナからの回復期待や利上げまではまだまだ時間があることから、大きく下落する可能性は低いです。反発しそうなポイントとしては、200日移動平均線がある27,000円前半、長期移動平均線がある26,500円、抵抗線として3度にわたって上値を抑えた24,000円の3つが考えられます。
  • 株価の下落は一瞬のうちに起こります。一気に買いポジションを作らず、決めたポイントごとで徐々に買い増しした方がよいでしょう。

日経平均の6ヶ月日足チャート

日経平均6か月日足チャート

「日経平均6か月日足チャート」マネックス証券より(クリックで拡大)

2021年6月21日の日経平均は953円安の28,010円(前日比-3.29%)と4か月ぶりの下落幅になりました。かろうじて28,000円台をキープしたものの、しばらく不安定な状況が続きそうです。

6ヶ月日足チャートをみると、右肩下がりの青い抵抗線に上値を抑えられていることが分かります。赤い支持線と紫の200日移動平均線が迫っているので、27,000円前半で一旦は支えられると思います。ただし、テクニカル的には今後赤い支持線を割る可能性が高いと思います。

日経平均5年週足チャート

日経平均5年週足チャート

「日経平均5年週足チャート」マネックス証券より

5年週足の長期チャートを見ると、緑の短期移動平均線が黄色の中期移動平均線を上から下へ突き抜け(デッドクロス)ていることが分かります。オレンジの長期移動平均線までの乖離幅が大きいので、長期的に見ても下落は続きそうです。

週足チャートをみると、昨年中頃から経済活動正常化期待で押し目をつけずに上昇したため、支持線になりそうな場所が見当たりません。下落目途としては少し深くなりますが、オレンジの長期移動平均線がある26,500円、抵抗線として3度にわたって上値を抑えた24,000円(赤い抵抗線)あたりが重要な支持線になりそうです。

いずれにしても、まだ短期チャートの200日移動平均線を割れていないので、すぐに大きく下落することはないと思います。もうしばらくは短期的に不安定な状態が続き、今日のように突然一気に下落する形となりそうです。心臓には悪いですが、少なくとも日経平均が2,4000円を割ることはないので大丈夫でしょう。

今後の日経平均の動きは?

新型コロナウイルスのワクチンの普及によって経済正常化へ

「COVID-19(新型コロナウイルス)-ダッシュボード」ジョンズホプキンス大学より

「COVID-19(新型コロナウイルス)-ダッシュボード」ジョンズホプキンス大学より

2021年6月21日現在、新型コロナウイルスの感染者数は1億7849万人、死者数は386万人達しています。世界各地で都市封鎖(ロックダウン)や出入国規制が導入されていますが、それでもなお感染終息の目途が立っていない状況です。

しかし、ワクチンの普及によって風向きが変わりつつあります。世界の新型コロナウイルスワクチンの接種回数は累計で26億4040万回に及んでおり、日々の感染者数や死亡者数は減少傾向にあります。

タイプ別の新型コロナウイルスワクチン生産能力」日本経済新聞社より

タイプ別の新型コロナウイルスワクチン生産能力」日本経済新聞社より

途上国に対するワクチン供給が不十分であったり、効果が期待できないワクチンが混在するなど、問題は数多く残されているものの、ワクチンの生産能力が日々高まっていることから経済正常化は時間の問題だと思います。

実際、アメリカのニューヨーク州は今年7月から経済活動を全面再開すると発表しています。WHOのテドロス事務局長も早ければ2022年内に新型コロナウイルスを収束させると述べているので、経済活動の正常化に向けた動きは急速に進んでいます。

アメリカ早期利上げ観測も、実施は22年後半~23年からか?

日経平均・NYダウ・ドル円・米国債-10年月足比較チャート

「日経平均・NYダウ・ドル円・米国債-10年月足比較チャート」マネックス証券より

2021年6月15、16日に開かれた連邦公開市場委員会(FOMC:Federal Open Market Committee)を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB:the Federal Reserve Board)が2021年終盤から22年はじめにテーパリング(資産購入の減額)を始め、22年後半には利上げを実施するのではないかと危惧されています。

一般的に、テーパリングや金利の上昇は株安につながるので、今回のFOMCの発表はここ数か月の株高に冷や水を浴びせる形になりました。

ただし、米経済が予想よりも速いペースで回復している可能性が示唆される一方で、資産購入プログラムは継続すると改めて表明しています。また、利上げを含めた将来的な政策転換の時期についても明言を避けています。したがって、世界的にワクチン接種が進み、経済回復が確実にならないうちは、現状維持が続くと考えています。

「日経平均・NYダウ・ドル円・米国債 10年月足比較チャート」をみると、米国債の利回りが長期にわたって低下し、反対に株価が緩やかに上昇していることがわかります。利上げに関する議論がいくら行われても、これまで安定した金融政策を行ってきたFRBが急激な利上げを実施するとは思えません。大きな心配は不要です。

まとめ

2021年6月21日の日経平均は953円安の28,010円(前日比-3.29%)と4か月ぶりの下落幅になりました。しかし、200日移動平均線を割ったわけではないので、短期的に急落が続く可能性は低そうです。

ただ、長期的に見ると上値を抑えられている形なので下落相場は長引くでしょう。不安定な株価が続き、突如急落する今日のようなパターンが今後も増えていくと思います。

もっとも、さらに長期的な視点で見ると、コロナからの回復期待や利上げまではまだまだ時間があることから、大きく下落する可能性は低いです。反発しそうなポイントとしては、200日移動平均線がある27,000円前半、長期移動平均線がある26,500円、抵抗線として3度にわたって上値を抑えた24,000円の3つが考えられます。

株価の下落は激しく一瞬のうちに起こります。一気に買いポジションを作らず、決めたポイントごとで徐々に買い増しした方がよいでしょう。

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