世界各国の株価指数チャートを比較すると…

世界各国の株価指数チャートを比較すると…

世界各国の株価指数チャートを比較すると…

この記事のポイント
  • 日本の株式市場の今後を占うために、世界各国の株価指数チャートを比較してみました。こうして世界経済の動向を俯瞰してみると、株式市場は景気後退を織り込み始めていることがはっきりと分かります。株価の下落には注意しましょう。

アメリカ

ダウ平均株価

「ダウ週足チャート」investing.comより

「ダウ週足チャート(2022年10月11日時点)」investing.comより(画像はすべてクリックすると拡大します)

ダウ週足チャートをみると、200週移動平均線を下抜けしてしまっていることが分かります。まだ、完全に(3~5%程度)突き抜けたわけではなく、コロナショック前後でできた抵抗線に達している側面もあるので、一度は反発しそうな形です。

しかし、短期(6週)、中期(25週)、長期(50週)移動平均線すべてが下向きなので、下落相場は今後も続きます。反発しても持続しない可能性の方が高いので、数か月を超えるような長期投資は避けた方が無難です。

S&P500

「SP500週足チャート」investing.comより

「SP500週足チャート(2022年10月11日時点)」investing.comより(画像はすべてクリックすると拡大します)

S&P500はちょうど200週移動平均線で下げ止まっていることが分かります。コロナショック前の抵抗線からまだ距離があるので、仮に下抜けしたとしてもやはりどこかで反発しそうな形です。

ただし、ダウ平均と同じく200週移動平均線を除くすべての移動平均線が下向きになっています。下落トレンドは今後も継続するので、注意が必要です。

NASDAQ総合

「ナスダック総合週足チャート」investing.comより

「ナスダック総合週足チャート(2022年10月11日時点)」investing.comより(画像はすべてクリックすると拡大します)

NASDAQ総合指数はダウ平均と同じように、200週移動平均線を割っています。コロナショック前の抵抗線までまだ距離があるので、もう少し(9,500ポイントくらいまで)下落しそうな形です。

また、NASDAQはアップルやアマゾンといったハイテク・インターネット関連銘柄で構成されているため、成長期待を込めて割高な価格で取引されています。当然、景気悪化時の下落スピードも速く・大きくなっているので、取引サイズ等に気を付ける必要があります。

中国

上海総合

「上海総合指数の週足チャート」investing.comより

「上海総合指数の週足チャート(2022年10月11日時点)」investing.comより(画像はすべてクリックすると拡大します)

中国の代表的な株価指数である上海総合指数をみると、下落トレントを形成していることがはっきりと読み取れます。2022年頭の年初来最安値に近づいており、今後1~2週間でそれを更新しそうな勢いです。

香港ハンセン指数

「香港ハンセン指数週足チャート」investingcomより

「香港ハンセン指数週足チャート(2022年10月11日時点)」investingcomより(画像はすべてクリックすると拡大します)

香港ハンセン指数は上海総合指数と並ぶ中国の代表的な株価指数の一つです。同指数の構成銘柄には、経営危機が続く中国不動産開発大手の恒大集団や碧桂園控股などの不動産関連銘柄が含まれているため、上海総合指数に比べて下落幅が大きくなっています。注:恒大集団は経営危機に陥ったことで取引停止措置がとらたため、2021年末に除外されることが決定されました。現在は完全に除外されています。

また、チャートもきれいな下落トレンドを描いているので、世界で一番投資してはいけない指数と言えるでしょう。

【中国不動産市場についてはコチラの過去記事をご覧ください!】

中国の不動産市況は底なし沼に。バブルの芽は膨らみ続ける。 不動産バブルに対する中国政府の方針は?~「王小鲁:房地产如果不挤泡沫-未来问题会严重得」を参考に~不動産バブルに対する中国政府の方針は?~「王小鲁:房地产如果不挤泡沫 未来问题会严重得」を参考に~

イギリス

FTSE

「FTSE週足チャート」investing.comより

「FTSE週足チャート(2022年10月11日時点)」investing.comより(画像はすべてクリックすると拡大します)

イギリスの代表的な株式指数であるFTSE100は、ロンドン証券取引所に上場する時価総額上位100社によって構成されています。洗剤やヘアケアなどの消費財で有名なユニリーバや国際金融グループのバークレイズなどが含まれており、こうした企業の時価総額を加重平均することで、同指数が算出されています。

イギリスはEU離脱による混乱(離脱後のEUとの通商協定について交渉が続いている)やロシア制裁による世界的なインフレ(2022年7月のインフレ率は前年同月比10.1%)の影響で、かなりの苦境に立たされています。

そのため、コロナショックから脱却できておらず、2021年以降レンジ相場のような動きを見せています。世界的な景気後退が懸念されている以上は、今後も下落しそうです。

フランス

CAC40

「CAC40週足チャート」investing.comより

「CAC40週足チャート(2022年10月11日時点)」investing.comより(画像はすべてクリックすると拡大します)

CAC40はユーロネクスト・パリ証券取引所に上場する銘柄のうち時価総額上位40社から構成されています。主な構成銘柄としては航空機メーカーのエアバス、ヨーグルトなどで有名な食料品大手のダノンなどがあり、これら企業の時価総額を加重平均することで算出されています。

フランスは原子力発電に依存(電源構成に占める原子力発電の割合は2020年時点で69%)しているため、欧州諸国の中でも比較的株価が安定しています。それでも、直近では下落圧力が増しており、株価は200週移動平均線付近でぎりぎり耐えている状況です。

MEMO
ユーロネクストは、2000年9月にパリ証券取引所・アムステルダム証券取引所・ブリュッセル証券取引所が合併したことで誕生した、欧州最大の証券取引所のことです。ユーロネクスト・パリはこのうちの旧パリ証券取引所にあたり、他の2つの証券取引所はそれぞれユーロネクスト・アムステルダム、ユーロネクスト・ブリュッセルと改称されています。

ドイツ

DAX

「ドイツDAX指数」investing.comより

「ドイツDAX指数(2022年10月11日時点)」investing.comより(画像はすべてクリックすると拡大します)

DAX株価指数はフランクフルト証券取引所で取引されるドイツの主要40銘柄で構成されています。主な銘柄としては世界的なスポーツブランドであるアディダスや低迷の続くドイツ銀行などがあり、これら企業の時価総額を加重平均することで算出されてます。

ドイツは天然ガス輸入量の55%(2020年時点)をロシアに依存していたことから、ロシア制裁によって自国経済にも大きな被害を受けています。そのため、株価は200週移動平均線を完璧に下抜き、底値を探る展開が続いています。個人的には最低あと10%程度(11,500ポイント)くらいまでは下落すると考えています。

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