MACDを使ったプロのトレードを学ぶならこの1冊「利食いと損切りのテクニック」

MACDを使ったプロのトレードを学ぶならこの1冊「利食いと損切りのテクニック」

この記事のポイント
  • 「利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)」を読めば、MACDの読み取り方や相場分析の仕方など、MACDを使ったプロのトレードを学ぶことができます。何の銘柄を、いつ、どこで、なぜ、どのように売買すればよいのかわからないという方、曖昧な根拠・感覚に従って取引をされている方にはおすすめの本です。MACDという一般的なインジケーターを使っており、投資の再現性が高い点も魅力的だと思います。ぜひご一読ください!

「利食いと損切りのテクニック」のおすすめポイント

 

①MACDを使ったプロのトレードが体感できる点

「MACDを使った著者のトレード事例①」利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)より

「MACDを使った著者のトレード事例①」利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)より

「利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)」のおすすめポイントとして、MACDを使ったプロのトレードが体感できる点が挙げられます。上の画像は本書で取り上げられているチャート(トレード画面)で、著者は「日経先物価格がゾーンCの位置で最安値を更新する一方、ゾーンCでMACDとシグナル線がゾーンAよりも浅い位置でクロス(強気乖離)していること」を理由に買いでエントリーしています。

これは一般的に言うMACDのダイバージェンスのことであり、トレンド転換を示す(この場合は弱気から強気への買いを示す)シグナルとされています。本書ではこうしたMACDの読み取り方が実際のチャート(トレード画面)の画像と共に紹介されているので、プロがどういう理由、どういうタイミングで売買するのかが一目で分かります。

「MACDを著者のトレード事例②」利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)より

「MACDを使った著者のトレード事例②(①のその後のチャート)」利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)より

また、著者は「ゾーンYでMACDがゼロラインを割ったこと、日経先物が上昇しているにも関わらずMACDの上昇が弱々しいこと(弱気乖離)」を理由に、先の買いポジションを清算しています。本書では「買い」から「売り」までの一連の流れを実際のチャートを用いて解説しています。MACDを使ったプロのトレードが体感できるので、MACDをトレードでどう生かせばよいかわからない方にはおすすめの1冊です。

補足

「MACDを使った著者のトレード事例③」利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)より

「MACDを使った著者のトレード事例③」利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)より

本書では主にMACDを使用してトレードの可否を判断していますが、実際はそれだけにとどまりません。業種別チャート、週足チャート、日足チャートを、MACD、移動平均線、エンベロープ(移動平均線から上下に一定に乖離させた線)などのインジケーターを利用して分析し、仕掛け価格、ストップロス(損切り)価格、目標(利益確定)価格などを設定。投資期間中は日々の動向を日誌にまとめ、利益確定時はその成績を記録・集計します。

「確認テストの一例」利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)より

「確認テストの一例」利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)より

本書は単純なトレード手法の解説本ではなく、トレード全体の管理方法についてまとめられています。取引の仕掛けから清算までを順を追って説明しているので、この本を読めばリアルなトレードを追体験することができます。また、内容の理解度を問う「確認テスト」も記載されているので、本書を熟読して問題を解いていけば、自身のスキルアップも期待できます。役に立つ本なのでぜひご一読ください!

②トレード日誌のつけ方や成績評価の方法などが学べる点

「著者のトレード日誌の例(ドイツ銀行の空売り)」利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)より

「著者のトレード日誌の例(ドイツ銀行の空売り)」利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)より

「利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)」のおすすめポイントとして、トレード日誌のつけ方や成績評価の方法などが学べる点も指摘できます。上の画像は著者のトレード日誌で、そこには他のトレードの失敗を引きずって焦ってから売りを仕掛けようとする姿(図3.4)や、投資仲間の情報を基に実際に仕掛けた様子(図3.4のケリーは著者の投資仲間、図3.5は空売りポジションの詳細と評価)、含み益が拡大していく段階のトレード心理(図3.6)、そして手仕舞いの詳細(買戻し時のトレード評価、投資収益額)と「今後も要監視が必要」という次回トレードへのコメント(図3.7)が示されています。

トレード日誌やトレードの成績を記録することで、どうしてその銘柄に投資をしたのか(投資の根拠)?、利益確定の目標値、損切りライン等をどこに置くか?、正しいタイミングで仕掛けることができたか?、トレード成績はどうだったか?、次は何に気を付けるべきか?等を振り返ることができます。過去の記録を確認し、次のトレードに向けて反省をすることで、トレードの規律を維持でき、再現性が高く(成功しやすく)なります。

「利食いと損切りのテクニック」のおすすめ度は☆5つ

「株の本のランキング」(画像はすべてクリックすると拡大します)

「株の本のランキング」(画像はすべてクリックすると拡大します)

「利食いと損切りのテクニック(アレキサンダー・エルダー著)」を読めば、MACDの読み取り方や相場分析の仕方など、MACDを使ったプロのトレードを学ぶことができます。何の銘柄を、いつ、どこで、なぜ、どのように売買すればよいのかわからないという方、曖昧な根拠・感覚に従って取引をされている方にはおすすめの本です。投資関連書籍(特にテクニカル分析を中心とする本)には様々なものがありますが、MACDという一般的なインジケーターを使っており、投資の再現性が高い点も魅力的だと思います。

「買い」、「売り」、「ストップロスの置き方」、「利食いの目安」、「トレード成績の評価方法」など多岐にわたって丁寧にまとめられているので、 おすすめ度は最も高い☆5つとしました。ぜひご一読ください!

「利食いと損切りのテクニック」の著書について

「利食いと損切りのテクニック」の著書はアレキサンダー・エルダー(Alexander Elder)氏です。同氏はレニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれのエストニア育ちで、16歳の時にエストニアの医学学校に入学。その後、船医としてソビエトの船に乗り、23歳の時にアフリカで船を飛び降りて米国に政治亡命。以降は、ニューヨークで精神科医として働きながら、精神科の医学博士号を取得し、コロンビア大学で教鞭をとるなどしています。

そして、自身の精神科医としての経験から、トレード心理学に独自の視点を投げかけるなど、著書、寄稿、書評が高い評価を受けるようになり、トレードの専門家として世界的に知られるようになりました。本書(利食いと損切りのテクニック)の他にも、「投資苑(1~3巻)」、「エルダー博士のダイバージェンストレード」などを出版しており、中でも「ザ・トレーディング──心理分析・トレード戦略・リスク管理・記録管理」は全世界で500万部超のベストセラーとなっています。いずれも名著揃いなので、ぜひご一読いただければと思います。

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