日経平均は下落するも底値は固い?

日経平均は下落するも底値は固い?

この記事のポイント
  • 2024年第1四半期の中国のGDPは前年同期比+5.3%の29兆6299億元(1元=21円換算で622兆2279億円)。失業率に関しても前年同期比△0.3%の5.2%(都市部の失業率)まで低下し、中国経済の回復が鮮明に。
  • 世界経済に目を向けると、IMFは24年の世界実質GDP成長率を前回公表時から0.1%ポイント上方修正した+3.2%と予測するなど、世界経済は堅調に推移すると思われる。
  • 日経平均株価は3万7000円付近の青い支持線で一度は止まりそうですが、2024年年始から始まった急激な株価の上昇は3万3800円付近のオレンジの支持線が起点になっている。目先の世界経済が堅調に推移するにしても日経平均の直近の上げ幅は異常であり、最悪3万3800円の支持線まで値を戻しても不思議ではない。ただ、3万800円付近に赤い支持線が待ち構えているので、株価が一気に急落する可能性は低い。世界経済が急激に悪化したとしても下落と底値固めを繰り返しながら値下がりしていくので、逃げるチャンスはいくらでもある。反発を狙って各指示線ごとで買い向かっても良いかも…。

中国経済の回復に合わせて世界経済も強い動きに?

「2024年第1四半期の中国経済は好調なスタートを切った(?)」中国国家統計局資料より

「2024年第1四半期の中国経済は好調なスタートだった(?)」中国国家統計局資料より(画像をクリックすると拡大します)

中国国家統計局が公表した資料によると、2024年第1四半期の中国のGDPは前年同期比+5.3%の29兆6299億元(1元=21円換算で622兆2279億円)に達したようです。この数字は2023年第4四半期と比較しても+1.5%となっており、中国経済が回復しつつある様子が伺えます。また、懸念だった失業率に関しても前年同期比△0.3%の5.2%(都市部の失業率)まで低下しています。これが本当かどうか、どこまで持続するのかといった疑問は尽きないものの、少なくとも表面的には雇用環境も緩やかに改善しているようです。

一方で世界経済に目を転じると、IMFは24年の世界実質GDP成長率を前回公表時から0.1%ポイント上方修正した+3.2%と予測するなど、中国経済の回復と歩調を合わせるようなしっかりとした動きを見せています。ロシア―ウクライナ戦争の長期化、イラン―イスラエル間の武力衝突が戦争にエスカレートする危険性など様々なリスクが残されているものの、統計データを素直に受け止めれば目先の経済情勢は堅調な展開となりそうです。

今後の日経平均はどうなるのか?

上海総合指数は底値からの脱出を試す展開に…

「上海総合指数の月足チャート(2024年4月23日時点)」TradingViewより

「上海総合指数の月足チャート(2024年4月23日時点)」TradingViewより(画像をクリックすると拡大します)

上海総合指数の月足チャートを見ると、2020年3月と2024年2月につけた2600ポイント台の支持線(青)に支えられながら、上値を抑える抵抗線(緑)を突破しようと試みていることが分かります。現状では直近高値を更新できていないのでこのまま青い支持線を割り込んでしまいそうですが、中国経済の回復が本物であれば近いうちに緑の抵抗線を突破してしまうかもしれません。

日経平均はどこまで下落するかが焦点に…

「日経平均株価の週足チャート(2024年4月23日)」TradingViewより

「日経平均株価の週足チャート(2024年4月23日)」TradingViewより(画像をクリックすると拡大します)

日経平均株価の週足チャートを見ると、株価がどこまで下落するかが焦点になっています。一見すると3万7000円付近の青い支持線で一度は止まりそうですが、2024年年始から始まった急激な株価の上昇は3万3800円付近のオレンジの支持線を起点にしています。目先の世界経済が堅調に推移するにしても日経平均の直近の上げ幅は異常であり、最悪3万3800円のオレンジの支持線まで値を戻しても不思議ではありません。市場参加者の思惑は測りかねますが、もう10%程度の下げは覚悟していた方が良いと思います。

なお、日経平均は細かいもみ合いを挟みながら上昇してきているので、株価の急落を食い止める強力な支持線がいくつも待ち構えています。3万7000円付近の青い支持線、3万3800円付近のオレンジの支持線、3万800円付近の赤い支持線の3つの強力な支持線が用意されているので、一直線に株価が下落する可能性は限りなく0に近いでしょう。何段階に分けて買い向かっても良いかもしれません。

今後の日経平均はどうなるか?

世界各地で戦争・紛争が起きていますが、中国経済の緩やかな回復を背景に世界経済は堅調に推移すると思われます。日経平均は2024年の年始から一気に値を伸ばしたため、その下落幅もかなり大きそうです。ただし、これまで日経平均はしっかりとベースを作りながら上昇してきたので、一気に急落することはありません。株価が支持線にぶつかるタイミングで買いを入れても良いと思います。

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