【結論】新NISA積立投資枠の最強ポートフォリオはこれだ!

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【結論】新NISA積立投資枠の最強ポートフォリオはこれだ!

この記事のポイント
  • 今回の記事では、新NISAの積立投資枠の商品の内、「何の銘柄」に「どのような割合」で投資すればよいか、具体的な「運用商品の組み合わせ(ポートフォリオ)」について考えていきたいと思います。
  • 過去20年間の各資産クラス(国内株式、海外株式、新興国株式などの区分)の中で単純に最もリターンが高いのは外国株式であり、リターン(年率)11.0%に対してリスク(年率)は18.5%となっています。以下、新興国株式(リターン:10.4%、リスク:22.2%)、日経225(リターン:9.0%、リスク:18.2%)、内外7資産バランス・為替ヘッジ型(リターン:5.8%、リスク:10.0%)と続いています。
  • 各資産クラスのシャープ・レシオ(リスク対リターン)を計算すると、外国株式は0.59、新興国株式は0.47、日経225は0.49、内外7資産バランス・為替ヘッジ型は0.58と計算できます。つまり、最もリスク・リターン比が良い資産クラスは外国株式であり、最もリターンが高かったという事実も併せて考えると、純粋に外国株式に100%投資するのが最善のポートフォリオであると推定できます。
  • 外国株式の投資信託として全世界株式と先進国株式のどちらに投資すればよいかを考えると、先進国株式インデックス・ファンド一択という結論に至ります。全世界株式インデックス・ファンドは新興国も含まれているため、中国の最近の覇権主義的な行動を考慮すると、リスクがあまりにも高すぎます。直近5年間のリターンも先進国株式インデックス・ファンドの方が良いため、最も信託報酬の安い先進国株式インデックス・ファンドを購入するのがおすすめです。

新NISA積立投資枠のポートフォリオの最適解は?

新NISA積立投資枠のポートフォリオの最適解は?

過去の記事(「【新NISA】積立投資枠のおすすめ銘柄一覧」)では下の補足にある14銘柄をおすすめしましたが、結局「何の銘柄」に「どのような割合」で投資すればよいか、具体的な運用商品の組み合わせ(ポートフォリオ)についてお伝えしていませんでした。そこで、今回の記事では新NISA積み立て投資枠のポートフォリオの最適解を探っていきたいと思います。

MEMO
新NISA積み立て投資枠のおすすめ銘柄は以下の14種類になります。①SBI・iシェアーズ・TOPIXインデックス・ファンド、②eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)、③SBI・iシェアーズ・日経225インデックス・ファンド、④eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)、⑤eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、⑥ 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド、⑦たわらノーロード先進国株式、⑧eMAXIS Slim 先進国株式インデックス、⑨eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、⑩NZAM・ベータ米国2資産(株式+REIT)、⑪iFreeNEXT NASDAQ100インデックス、⑫iFree NYダウ・インデックス、⑬iTrustインド株式、⑭フィデリティ・欧州株・ファンド。

各資産クラスでリターンが最も高いのは?

「投資信託の実績データ(2003.3.31~2023.12.29)」野村アセットマネジメント投信アシストより

「投資信託の実績データ(2003.3.31~2023.12.29)」野村アセットマネジメント投信アシストより(画像をクリックすると拡大します)

過去20年間の各資産クラス(国内株式、海外株式、新興国株式などの区分)の運用成績は上の画像のようになっています。単純に最もリターンが高いのは外国株式で、リターン(年率)11.0%に対してリスク(年率)は18.5%となっています。以下、新興国株式(リターン:10.4%、リスク:22.2%)、日経225(リターン:9.0%、リスク:18.2%)、海外5資産バランス(リターン:8.8%、リスク:15.6%)、内外7資産バランス・為替ヘッジ型(リターン:5.8%、リスク:10.0%)と続いています。したがって、単純に考えれば20年間の平均リターンが最も高い外国株式が優れた投資先であることが分かります。

各資産クラスで最もシャープ・レシオ(リスクに対するリターン)が高いのは?

「投資信託の実績データ(2003.3.31~2023.12.29)」野村アセットマネジメント投信アシストより

再掲:「投資信託の実績データ(2003.3.31~2023.12.29)」野村アセットマネジメント投信アシストより(画像をクリックすると拡大します)

ここでは、各資産クラスの中でリスク・リターン比が一番高いものはどれなのか考えていきたいと思います。一般的に、投資信託の運用成績を比較する場合は「シャープ・レシオ」と呼ばれる指標によって評価され、その数値によって善し悪しが判断されます。具体的に、シャープ・レシオは「(対象資産の収益率△無リスク資産の収益率)÷対象資産の標準偏差」という計算式によって求められ、この数値が高いほど低リスク・高リターンの商品であり、リスク・リターン比で優れた商品だということになります。

上記の各資産クラスのシャープ・レシオを計算すると、外国株式は0.59(リターン11.0%÷リスク18.5%。以下は同様に算出)、新興国株式は0.47、日経225は0.49、海外5資産バランスは0.56、内外7資産バランス・為替ヘッジ型は0.58と計算できます。つまり、最もリスク・リターン比が良い資産クラスは外国株式であり、先の最もリターンが高かったという事実も併せて考えると、純粋に外国株式に100%投資するのが最善のポートフォリオであると推定できます(*補足を参照のこと)

MEMO
日本は低金利政策を堅持し続けており、国債利回りはほぼ0%に等しくなっています。そのため、シャープ・レシオの計算にあたっては無リスク資産の収益率を無視して計算しています。また、新NISAの積立投資枠の商品にはREITのインデックス・ファンド、国内外債券のインデックス・ファンドなどが含まれていないので、これらの資産クラスを議論の対象にしていません。かなり限定的な結論になりますが、ご了承いただければと思います。

【結論】新NISA積立投資枠の最強ポートフォリオはこれだ!

「過去5年間のeMAXISSlimシリーズの投資信託の比較(新興国株式・日経平均・全世界株式・先進国株式)」マネックス証券より

「過去5年間のeMAXISSlimシリーズの投資信託の比較(新興国株式・日経平均・全世界株式・先進国株式)」マネックス証券より(画像をクリックすると拡大します)

最後に、外国株式の投資信託として、全世界株式と先進国株式のどちらに投資すればよいかを考えていきたいと思います。結論から言えば、答えは先進国株式インデックス・ファンド一択ということになります。

上の画像(参考までに単純リターン、リスク・リターン比で劣っている国内株式・新興国株式も含めて比較しています)を見れば明らかですが、直近5年間は中国をはじめとする新興国市場が崩れた影響で、先進国株式インデックス・ファンドの方が全世界株式インデックス・ファンドよりも優れたパフォーマンスを残しています。

長期的に見れば新興国株式市場が盛り返して全世界株式インデックス・ファンドの運用成績が改善する可能性はありますが、米中貿易摩擦、中国の覇権主義的な行動、新興国株式インデックス・ファンドは中国や台湾の構成比率が高く有事の際に大きな影響を受けること等を考えると、やはり先進国株式インデックス・ファンド一択だと断言できます。新NISA積立投資枠のポートフォリオは「先進国株式インデックス・ファンド」100%で決まりでしょう。

なお、先進国株式インデックス・ファンドは商品によって信託報酬(運用コスト)がピンキリです。インデックス・ファンドは特定の指数に連動する形で機械的に運用されるため、信託報酬が高いとその分だけパフォーマンスが悪化してしまいます。新NISA積立投資枠の銘柄を決める際には、最も手数料の安い商品を選ぶよう気を付けましょう。

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