【2023年2月】世界の株価指数を比較すると…

【2023年2月】世界の株価指数を比較すると…

【2023年2月】世界の株価指数を比較すると…

この記事のポイント
  • 世界の株価を俯瞰すると、日本・米国・中国(香港ハンセン指数を除く)は200週移動平均線を超えて戻りを試しつつあり、イギリス・フランス・ドイツの欧州3カ国は物価高に苦しみながらも最高値を更新する勢いをみせています。
  • 今後しばらくは株高が続くと思われますが、インフレ率が下がらなければ株価が再び失速する可能性もあります。経済指標やFOMC(連邦公開市場委員会)・ECB(欧州中央銀行)理事会の内容や開催日程には注意する必要があります。

日経平均の週足チャート

「日経平均の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

「日経平均の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

日経平均の週足チャートを見ると、レンジの動きを見せていることが分かります。200週移動平均線(2万5,520円)がボックスの底値圏で下支えしており、万が一下落したとしても2万4,000円の抵抗線が支持線として機能すると考えられるので、方向感がない中でも株価は堅調に推移しそうです。

ダウ平均株価の週足チャート

「ダウ平均の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

「ダウ平均の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

ダウ平均株価の週足チャートを見ると、直近高値を更新しようと揉み合っていることが分かります。形だけをみると200週移動平均線(3万0,568ドル)まで一度下落し、その後に今の保ち合いを突破するのではないかと考えています。

「ヘッドアンドショルダーズの説明」マーケットのテクニカル分析-――トレード手法と売買指標の完全総合ガイドより

「ヘッドアンドショルダーズの説明」マーケットのテクニカル分析-――トレード手法と売買指標の完全総合ガイドより

イメージとしては上の図のようなヘッドアンドショルダーズのチャートパターンを形成し、上昇に転じるのではないかと思います。

【上の図はコチラの本から引用しています。テクニカル分析について勉強したい方にお勧めの本です!】

 

ナスダック総合指数の週足チャート

「ナスダック総合の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

「ナスダック総合指数の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

ナスダック総合指数の週足チャートを見ると、50週移動平均線に上値を抑えられていることが分かります。ナスダック指数は2022年9月から2023年1月半ばにかけて200週移動平均線を割ってしまったものの、その後に持ち直して上昇する動きを見せています。ただ、今回の50週移動平均線へのタッチはまだ2回目なので、セオリー通りなら一時的に株価は下落し、3度目のタッチで移動平均線を突破することになりそうです。

MEMO
株価が移動平均線にぶつかると、1度目はそこでトレンドの方向に強く戻し、2回目で弱い反発、3回目は突破されてそこからトレンドが反転することが多くあります。もちろん、市況や材料次第ではこの経験則が当てはまらないこともありますが、大半は上記のような振舞いをすることになります。

上海総合指数の週足チャート

「上海総合指数の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

「上海総合指数の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

上海総合指数の週足チャートを見ると、200週移動平均線を2度割った後に上昇を試そうとしていることが分かります。中国は0コロナ政策を突然解除したことで感染者数が急増。2022年12月だけでも数万人が無くなったと推計されています。しかし、不動産開発企業に対する融資規制が緩和されたり、住宅ローンの頭金比率が引き下がられたりしたことで、政策期待や経済活動正常化への期待感から直近の高値を試す展開となっています。

香港ハンセン指数の週足チャート

「香港ハンセン株価指数の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

「香港ハンセン株価指数の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

香港ハンセン株価指数の週足チャートを見ると、上海総合指数と同様に戻りを試そうとしていることが分かります。ただ、上海総合指数に比べて株価の下落幅が多いため、1万8,300 ポイントあたりまで一旦下げ、そこからダウ平均と同じようにヘッドアンドショルダーを形作って上昇するのではないかと考えています。

イギリスFTSE100

「イギリスFTSE100の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

「イギリスFTSE100の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

イギリスFTSE100種総合株価指数の週足チャートを見ると、7,700ポイントを突破し、最高値の更新に向けて動いていることが分かります。

イギリスは資源価格の上昇などを背景に高インフレが続いており、2022年10月の消費者物価指数(CPI)は前年比+11.1%と約41年振りの高水準に達しました。現在、インフレ率は落ち着きを取り戻しつつありますが、しばらくは高インフレが継続すると予想されており、2023年の実質GDPは△0.6%のマイナス成長に転じる見込みとなっています。

このように国内の経済情勢だけをみれば株価が上昇する余地はありませんが、商品価格の上昇によって石油大手のBPやシェルなどが莫大な利益を計上したため、FTSE指数は最高値を更新に向かっています。ロシア・ウクライナ間で戦争が続く限り、資源高も続きます。その恩恵を受け、FTSE指数も堅調に推移しそうです。

フランスCAC40

「フランスCAC40の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

「フランスCAC40の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

フランスCAC40指数の週足チャートを見ると、これまでの最高値(7,201.65ポイント) を更新する動きを見せていることが分かります。フランスもイギリスと同様に高インフレに悩まされていますが、石油大手のトタルエナジーズが資源高の追い風を受けて好決算を発表したり、世界的に航空需要が回復してエアバス社の株価が持ち直したことで、最高値に迫る動きをみせています。

このまま最高値を更新するか、それとも一度下落を試すのかは分かりませんが、CAC40の投資家の多くは含み益となっているため、上値は軽くなっています。時間はかかるかもしれませんが、株価は上昇すると考えれます。

ドイツDAX指数の週足チャート

「ドイツDAX指数の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

「ドイツDAX指数の週足チャート(2023年2月21日時点)」investing.comより

ドイツDAX指数の週足チャートを見ると、イギリスとフランスに劣るものの、最高値を更新する勢いであることが分かります。ドイツも2023年1月のインフレ率が9.2%と高止まりするなど物価高に苦しんでいますが、自動車大手のメルセデスベンツやエレクトロニクス大手のシーメンスが世界的な経済回復の波に乗ったことで、株価指数も高値を目指す展開となっています。

他の欧州各国に続いて最高値を更新できるかは分かりませんが、戦争が終結して高インフレが終息すれば一気に株価は上昇しそうです。

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