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【景気先行指数(CLI)を読む】株価は今後ゆるやかに持ち直す!?
この記事のポイント
- OECD(経済協力開発機構)の景気先行指数(CLI)はゆるやかに下落し、下げ止まってはいない状態。ただし、過去の経済危機と比較すればなだらかな動きとなっている。
- 2022年に米金利の急速な引き上げを懸念して株価が急落する局面があったが、2023年の金利の引き上げ幅は小幅なものにとどまる模様。さらに、2024年以降は金利の引き下げが予想されていることから、株価は小康状態が続きそう。
- インフレ懸念はあるものの、米政策金利のコントロールが上手くいっている。2023年の世界経済成長率は+2.9%となる見込みとなっているので、株価は今後ゆるやかに持ち直すと思われます。
景気先行指数(CLI)は下げ止まっていないが…
OECD(経済協力開発機構)の景気先行指数(CLI)をみると、日本・アメリカ・中国のすべてで緩やかに下落しており、下げ止まってはいない状態です。ただ、2008年のリーマン・ショックや2020年の新型コロナウイルスのパンデミック時の下落幅と比べればかなりなだらかな動きとなっているので、今のところ株価の急落におびえる必要はなさそうです。
MEMO
景気先行指数(CLI:Composite Leading Indicators)は、景気循環の転換点について早期にシグナルを出すことを目的に、主要国の経済指標を基にして作成されています。景気に対し6~9ヵ月先行するように設計されており、景気判断の境目である100を基準にして「100超は景気拡大」を、「100未満は景気縮小」を示しています。株価は今後ゆるやかに持ち直す
リスクはあるが株価は持ち直す
米政策金利の急速な引き上げを警戒して2022年半ばに世界的に株価が下落しましたが、同年12月のFOMCでは2023年の金利の引き上げ幅が小幅にとどまること、2024年以後の政策金利が低下する見込みであることが示され、株価は持ち直しつつあります。
WTI原油価格の週足チャートを見るとわかるように、ロシア・ウクライナ間の戦争は未だに停戦・終戦の気配をみせていませんが、現状は米政策金利のコントロールが上手くいっています。
戦況次第ではエネルギー価格を含む商品市況が高騰し、インフレ懸念が再燃する可能性もありますが、2023年のさらなる金利の引き上げによって事態は沈静化すると予想されています。一時的に株価が不安定な動きを見せるかもしれませんが、やはり大きな心配は不要でしょう。
2023年の世界の経済成長率は+2.9%となる見込み
最新の国際通貨基金のレポートによると、「世界経済成長率は、2022年の3.4%(推定値)から、2023年に2.9%へ鈍化した後、2024年には3.1%へと加速する見込み」とされています。景気先行指数(CLI)は下げ止まっていないので今が底だと断定できませんが、株価は今後ゆるやかに持ち直していくと思われます。
ロシア・ウクライナ間の戦争が激化する等のリスクはありますが、余剰資金の範囲内で株式投資を再開しても良いかもしれません。