【2023年】中国の不動産市況は政府支援によって回復へ向かう?

【2023年】中国の不動産市況は政府支援によって回復へ向かう?

この記事のポイント
  • 中国の不動産市況は悪化の一途を辿っています。2022年12月の中国主要70都市の住宅販売価格指数は北京や上海などの巨大都市を除いてほぼ全土でマイナスに。
  • 2022年1月から12月までの累計ベースの不動産開発投資も前年比△10.0%の13兆2,895億元(1元=19円で約252兆5,005億円)と大きく縮小。
  • ただし、中国共産党第20回全国代表大会後に新指導部から再度不動産セクターに対する支援策が示されたことで、市場には一部で安心感が広がっています。不動産セクターは持ち直す可能性があると思いますが、ゼロコロナ政策の放棄によって新型コロナウイルス感染者数が急増しています。先行きが不透明な状態が続くので、要警戒です。

中国の不動産価格は引き続き暴落

「2022年12月の中国主要70都市の新築住宅と中古住宅の販売価格指数」中国国家統計局資料より(画像はすべてクリックすると拡大します)

「2022年12月の中国主要70都市の新築住宅と中古住宅の販売価格指数」中国国家統計局資料より(画像はすべてクリックすると拡大します)

中国の不動産市況は悪化の一途を辿っています。2022年12月の中国主要70都市の住宅販売価格指数は北京や上海などの巨大都市を除いてほとんどマイナスに転じており、新築価格が前月割れの地域は55都市、前年割れの地域は53都市。住宅価格が前月割れの地域は63都市、前年割れの地域は6都市となっています。

これは2020年の住宅価格と比較した場合も同様で、新築住宅価格指数は29都市、中古住宅価格指数は43都市でマイナスに転じています。中国の不動産市況は長期にわたって活況を呈してきましたが、その神話も終焉を迎えつつあります。

不動産開発投資額も引き続き減少幅が拡大

「中国の不動産開発投資の成長率の推移(2022年12月)」中国国家統計局資料より(画像はすべてクリックすると拡大します)

「中国の不動産開発投資の成長率の推移(2022年12月)」中国国家統計局資料より(画像はすべてクリックすると拡大します)

不動産市況が悪化し、需要が低迷したことで住宅を含む不動産開発投資額も減少し続けています。2022年1月から12月までの累計ベースの不動産開発投資は前年比△10.0%の13兆2,895億元(1元=19円で約252兆5,005億円)と大きく縮小しています。

「2022年1月から12月までの東部、中部、西部、北東部の不動産開発投資と住宅販売面積・販売額」中国国家統計局資料より

「2022年1月から12月までの東部、中部、西部、北東部の不動産開発投資と住宅販売面積・販売額」中国国家統計局資料より(画像はすべてクリックすると拡大します)

また、不動産開発投資だけなく、住宅の販売面積・販売金額も中国全域で2桁減(△26.7%)となっています。事態の切迫具合は明らかでしょう。

中国政府は不動産規制を緩和へ。2023年に市況は回復へ向かう?

中国当局は、優良な不動産開発会社の資金調達を支援するとともに、1000億元(148億6000万ドル)規模の賃貸住宅ローン支援策を展開する。新華社が13日に伝えた。金融規制当局は2020年半ばから不動産業界を苦しめている流動性危機を緩和する一環で、優良なデベロッパーのバランスシートの健全化に向けた作業計画を策定したという。(中略)当局は金融機関が合理的な基準に基づいて優良デベロッパーと債務延長を交渉することを奨励するほか、外為管理の改善など政策的な支援を行うことで、デベロッパーの海外債務返済を支援するという。「中国、優良デベロッパーの資金調達・債務延長を支援=新華社」 ロイター  2023年1月13日

ただし、中国の不動産市況は政府支援によって回復に向かう可能性があります。

中国証券監督管理委員会は2022年11月28日に、「本土や香港に上場する中国の不動産開発会社に対し、不動産資産の取得や運転資金の補充、債務返済を目的とした株式発行を認める」と発表。年明けの2023年1月13日にも中国人民銀行(中央銀行)の鄒瀾・金融政策局長が「質の高い不動産開発会社のキャッシュフロー改善に向けた対策を講じる」と述べるなど、不動産開発会社を支援する動きを見せています。

「Global-X-MSCI-China-Real-Estate-ETFの日足チャート」Bloombergより

「Global X MSCI China Real Estate ETFの日足チャート」Bloombergより

こうした動きは2022年の半ばにも見られましたが、10月16日の中国共産党第20回全国代表大会後に新指導部から再度同じ方針が示されたことで、市場には一部で安心感が広がっています。GlobalX MSCI China Real Estate ETFという中国の不動産関連株で構成されたETF(上場投資信託:株式のように市場で取引される投資信託)のチャートを見ると、下降トレンドから脱却しつつある様子が伺えます。

今後の中国経済はどうなるか?

2022年12月7日にゼロコロナ政策の解除が突然発表・実施されたため、現在中国では新型コロナウイルスのパンデミックが発生しています。公式データが公表されていないため実態は分かりませんが、ある報道では累計感染者数が人口の約6割にあたる9億人を超えたと伝えられるなど、極度の混乱状態にあることが分かります。

昨年末でピークは過ぎたようですが、1月21日からは旧正月の「春節」にあわせた大型連休が始まるので予断を許さない状態が続きます。不動産セクターは政府支援により回復に向かうのではないかと考えていますが、不確定要素が多すぎて先行きが見通せません。経済ニュースを注視し、適宜適切な対応が求められます。

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