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中国経済は崩壊か?22年3月の統計データが酷すぎる。
- 2022年3月の統計データが目も当てられない数字になっています。
- 不動産開発会社への資金流入が減少し、投げ売りで商業用・住宅用不動産市況が悪化しています。
- 製造業PMI、非製造業PMIも節目となる50を割り込んでおり、景気後退が示唆されています。
- 消費財の小売売上高もマイナスに転じているので、頼みの個人消費も期待できない状態です。4月からは上海ロックダウンの影響も加わり、景気はさらに悪化します。中国経済の崩壊は間近です。
不動産開発会社への資金流入が絞られ、不動産市況は崩壊へ
不動産開発会社への資金流入は絞られたまま
前回の記事でもお伝えしたように、中国の不動産開発会社への資金流入が三条紅線政策の導入によって大きく減少しています。それによって多くの企業が資金難に直面したため、保有資産の投げ売りが始まり、不動産価格の下落にも拍車がかかっています。
不動産の投げ売りが止まらず市況は悪化
商業用不動産の販売面積と販売額の成長率をみると、2022年に入ってからマイナス成長に転じていることが分かります。特に、販売面積よりも販売額の減少率の方が大きい数字になっていることから、資金繰りに苦しむ会社が坪単価を下げてでも売り切ろうと悪戦苦闘する様子が伺えます。
また、不動産価格の下落は住宅用不動産にも波及しています。上の画像をみると、新築・中古の住宅用不動産価格が多くの地域で前月比・前年同月比割れを起こしていることが分かります。一部地域で住宅購入に対する支援政策が導入されてはいるものの、不動産価格の下落が止まる気配はありません。
現在、恒大集団をはじめとする多くの不動産開発会社がデフォルト(債務不履行)を起こし、倒産の危機にあります。仮に不動産開発会社が連鎖破綻するようなことになれば、債権者が債務回収を進めようと不動産の処分売りに走るので、価格の下落はより激しいものとなるでしょう。中国の不動産バブル崩壊は近いかもしれません。
購買担当者景気指数も50を割り込み景気後退を示す
景気悪化の動きは不動産業にだけではありません。中国の製造業PMIの推移をみると、昨年から低下傾向にあったPMIが今年の3月に入ってから急落し、景気の転換点である50を下抜けたことが確認できます。
また、非製造業PMIも同じように50を下回っていることから、不動産企業に限らず中国市場全般で景気後退が進んでいることが示唆されています。
頼みの消費財の小売売上高もマイナスに転じる
中国政府は共同富裕政策を推進して内需型の経済体制に転換しようとしていますが、頼みの個人消費も落ち込みを見せています。消費財の小売売上高の成長率をみると、今年の3月に入ってからマイナスに転落していることが分かります。
品目別にみると、衣料品・家具・自動車といった数年にわたり使用する高単価なものの消費が落ち込んでいることが分かります。これは今後の景気悪化を見越して支出を見直す人が増えてきている証拠と言えます。
まとめ ~中国経済は崩壊か?~
以上のように、中国経済は法人の景況感が悪化するだけではなく、個人消費にも陰りが見え始めています。特に、22年3月に入ってからの経済データは酷い数字が並んでおり、急激に景気が悪化している様子が伺えます。
4月のデータには上海ロックダウンの影響が加わります。中国経済の崩壊は近いでしょう。