誰でもわかる株式と株主|投資の知識

誰でもわかる株式と株主

誰でもわかる株式と株主|投資の知識

この記事のポイント
  • 株式とは、事業の元手(資本金)を提供した出資者に対して、出資の証拠として発行される証券のことです。株式会社は、必要とする事業資金を小口に分けて、多くの出資者から資金を募っています。株式を発行することで、出資者の地位や権利を明確にすることができます。
  • 株主とは、株式会社の出資者のことです。株主は会社のすべての所有権を有するのではなく、分割された所有権をその出資比率に応じて保有しています。株主は出資比率によって、経営に参加する権利、配当を受け取る権利、最終的に残った財産を受け取る権利などの権利を持っています。

株式とは?

株式とは、事業の元手(資本金)を提供した出資者に対して、出資の証拠として発行される証券のことです。株式会社は必要とする事業資金を小口に分けて、多くの出資者から資金を募っています。株式を発行することで、出資者の地位や権利を明確にすることができます。

昔は紙でできた株券を発行していましたが、2009年から株券が電子化されるようになりました。現在は証券保管振替機構や証券会社などの金融機関の口座で株券を電子的に管理するようになっています。

なお、出資金の返還を認めると株主の意向によって会社の資産が売却・回収される恐れがあるので、事業活動を安心して行うことができません。そのため、出資金は一度出資すれば引き出すことはできません。また、出資金と同様に株式も原則的として返金を求めることはできません。

投資資金を取り戻したい場合は、他の投資家に株式を譲渡することで資金を回収します。上場企業の場合は投資家の数が多いので証券取引所(東証など)を通して売買が行われます。そして、そこで約定(成立)した価格を株価と呼びます。

株主とは?

株主とは?

株主とは、株式会社の出資者のことです。株主は会社のすべての所有権を有するのではなく、マンションの区分所有者のように分割された所有権をその出資比率に応じて保有しています。株主は出資比率によって、経営に参加する権利、配当を受け取る権利、最終的に残った財産を受け取る権利などの権利を持っています。

株主と債権者の違い

株主と銀行のような債権者との違いは、経営に対する権利と責任を有するか否かにあります。

そもそも株主は、株主総会を通して会社の経営に積極的に参加する権利を得るため、必要な資金を出資します。当然、原則として出資金の返還を求めることができず、他の投資家へ株式を売却(権利を譲渡)することでしか投資資金を回収できません。

また、株主は会社の経営に責任を負っていることから、利益の分配(配当)は会社が生み出した利益額に応じて変動し、解散時の財産の分配も一番最後に受け取ることになります。

一方、債権者は会社の経営に関与することがありません。会社がいくら利益を得ようとあらかじめ定められた利子を受け取り、万一会社が破綻しても株主に優先して弁済を受けることになります。株主と違ってリターンが一定なので、負うリスクも限定的なものとなっています。

  株主 債権者
資金の返済 なし(他者へ譲渡することで回収) あり(返済期日に会社から返済)
利益の分配方法 配当(利益に応じて額が変動) 利子(利益に関係なく一定額)
破綻時の責任範囲 有限責任(出資額以上の責任を負わない) 何ら責任を負わない
破綻時の返済順位 最後に残った財産が分配される 株主より優先される
経営への参加 あり(株主総会での議決権) なし

株主の権利とは?

株主の権利

株主の権利は共益権と自益権に分かれています。共益権とは、権利行使の結果が株主全員に影響を及ぼしてしまう権利で、「会社経営に参与(参加)する権利」が該当します。また、自益権とは、権利行使の結果が行使した株主本人にしか影響を及ぼさない権利で、「利益配当請求権」や「残余財産分配請求権」が該当します。

①会社経営に参与する権利とは?

株主の権利と議決権比率

 

会社経営に参与(参加)する権利とは、文字通り会社の経営に参加する権利のことで、株主総会で議決権を行使する権利などが当てはまります。経営に関与する度合いは保有する株式数や議決権比率に応じて定められています。

例えば、議決権を3%以上保有する株主は、会社に対して臨時の株主総会を招集するよう求めることができます。また、議決権を33.4%(3分の1)以上保有する株主は、合併契約や解散(会社の廃業)などを決定する特別決議に対して拒否権を行使することができます。

さらに、議決権比率が50%以上に達すれば、取締役の選任・解任などを決定する普通決議をある程度自由にコントロールすることができます。

②利益配当請求権とは?

利益配当請求権とは、会社が生み出した利益の分配(配当)を受け取ることができるという権利です。ただし、会社は必ず配当を実施しなければならないというわけではなく、経営環境に次第では配当を行わないこともできます。

③残余財産分配請求権とは?

残余財産分配請求権とは、会社が解散(廃業)した際に最終的に残った財産の分配を受け取ることができるという権利です。会社が解散すると、取引先への未払金や銀行からの借入金といった負債が返済されます。そして、最終的に残った財産は、持株比率に応じて各株主に分配されます。

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