買う価値がない駄本「出来高・価格分析の実践チャート入門」

出来高・価格分析の実践チャート入門

買う価値がない駄本「出来高・価格分析の実践チャート入門」

この記事のポイント
  • この本は冒頭以前に目次の構成から理解できません。また、目次を読んでも内容がイメージできません。入門書という割に、前提となる値動きやローソク足の解説が不足してます。
  • 掲載されているチャートが単純に見にくいです。チャートの時間軸が短く、その後の値動きも良く分かりません。加えて、本書のウリである出来高の動きが読み取りにくいのも難点です。
  • 同じ著者が「出来高・価格分析の完全ガイド 」という本を出版しています。こちらは解説もしっかりしており、はるかに読みやすい本に仕上がっています。値段も1000円近く安いので、本書は買わずに「出来高・価格分析の完全ガイド 」だけ購入する方が良いと思います。

「出来高・価格分析の実践チャート入門」のハイライト

市場の内側を見るための、そしてインサイダーやマーケットメイカーが何をしているかを見るためのツールが私たちにはある。それは瞬時にして彼らの行動を明らかにするツールで、それが出来高だ。 p92

テクニカル分析には「チャートは市場センチメントをすべて織り込んでいる」という考え方があります。ただ、この考え方には市場操作という概念が考慮されていません。インサイダー、マーケットメーカー、ビッグオペレーターが価格を操作するため、市場から利益を得ようとすると、一般投資家は彼らのあとをついていかざるを得ません。

そうした大口投資家の動向を知るためのツールが出来高であり、出来高と価格を分析(VPA:Volume Price Analysis)することで、彼らの動きを明らかにすることができると筆者は主張しています。

価格チャートで最も重要な領域は保ち合い相場だ。市場は70%から80%の時間帯で保ち合いになり、トレンド相場になるのはわずか20%である。理由は簡単だ。保ち合い相場はトレンドが生まれる場所で、マーケットメーカーやインサイダーがキャンペーンの次のステージに向けて準備している場所だ。 p183

マーケットメイカーは、株価が上昇し天井をつけるころに売りのクライマックスを迎えます。一般投資家が我慢しきれず天井で買い注文を入れる中、大口投資家の売りによって株価は反転し、下落を始めます。株価の下落は狼狽売りを誘い、一般投資家がパニックになって売り始める頃、マーケットメーカーは反対に買いのクライマックスを迎えます。

株価が高値圏や底値圏で保ち合い相場になるのは、上述のように大口投資家が一般投資家を巻き込んで逆方向へ新しいトレンドを発生させようと準備しているからです。

価格に基づく従来の支持線や抵抗線は出来高・価格分析の重要な要素の1つだが、私は出来高、価格、時間を分析に使う。これはボリューム・オブ・コントロールと呼ばれ、出来高をY軸(価格軸)のさまざまな価格水準にヒストグラムとしてプロットしたものだ。これは公正価格はチャート上の出来高が最も集中しているところに現れるというマーケットプロファイルという概念に基づくもので、出来高と価格の関係の中に時間という概念を導入したものである。 p192

市場が一定の価格水準にとどまれば、そこに出来高が集中します。つまり、出来高が集中するポイントは、強気のセンチメントと弱気のセンチメントのバランスが取れた場所(売買が拮抗する場所)といえます。こうした場所は抵抗線や支持線になりやすく、逆に出来高がない場所は比較的素早く株価が動きます。出来高と価格を分析することで、こうした抵抗線や支持線になりやすい場所、相場の反転ポイントを予測することができます。

「出来高・価格分析の実践チャート入門」のおすすめポイント

この本のおすすめポイントは、ありません。詳細は次章に譲りますが、同じ著書の「出来高・価格分析の完全ガイド」という本を購入したほうが良いです。

こちらの本の方がまだおすすめです。

「出来高・価格分析の実践チャート入門」のおすすめできないポイント

出来高・価格分析の実践チャート入門をおすすめできない点は、①入門書としてわかりにくい②掲載されているチャートが見にくい③この本よりも優れた本がある、の3点があげられます。

①入門書としてわかりにくいという点に関してですが、初めの目次から意味が分かりません。例えば、本書の目次は「はじめに」、「セクション1」、「そのあと何が起こったか」、「セクション2」と続いていますが、セクション1で何を伝えたいのか、セクション1とセクション2の違いは何なのかが分かりません。さらに、各セクション間の「そのあと何が起こったか」という章立ても、意味が分からず首をかしげたくなります。目次を読んでも中身がイメージできないのは致命的だと思います。

また、前提となる値動きやローソク足に関する解説が不足した状態で話が進むため、すごく唐突な印象を受けます。ある程度知識を持った人でないと読みにくいでしょうし、ある程度知識を持った人ならそもそもこの程度の本を読む必要がありません。タイトルに入門書と記載するのであれば、もう少し配慮が必要だと思います。

出来高・価格分析の実践チャート入門-p237

出来高・価格分析の実践チャート入門-p237より

次に、②載されているチャートが見にくいという点に関してですが、上の画像のようなわかりにくいチャートが繰り返し出てくるため、個々の違いが良く分かりません。週足ならもっと時間軸を長くしてチャートを広げたほうがその後の値動きが良くわかると思います。また、本書のウリでもある出来高の増減が読み取りにくいのも難点です。

最後の③この本よりも優れた本があるという点に関してですが、同じ著書が「出来高・価格分析の完全ガイド 」という本を出版しています。こちらの本は値動きやローソク足の解説など、本書で不足している内容も漏れなく丁寧に書かれています。

値段も1000円近く安くなっているので、購入を検討される方は「出来高・価格分析の完全ガイド」だけ購入したほうが良いと思います。繰り返しになりますが、この本は購入すべきではありません。お金の無駄遣いです。

この商品は買ってはダメな本です!

「出来高・価格分析の実践チャート入門」の著者

著者のアナ・クーリングは株式や先物など幅広い分野に投資する専業投資家です。トレードの傍ら執筆活動も行っており、出来高を重視した独自のトレード手法を書籍にまとめ、出版しています。

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