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LIFULL 不動産クラウドファンディングがヤバい!|買ってはいけない金融商品④
- LIFULL 不動産クラウドファンディングは、LIHULL HOME’Sで有名な株式会社LIFULLが運営する不動産クラウドファンディングの検索ポータルサイトです。
- 大手企業が運営していますが、掲載されている商品はヤバいものばかりです。投資詐欺と言っても過言ではないものばかりなので、不動産クラウドファンディング界隈には近づかない方が良いでしょう!
LIFULL 不動産クラウドファンディングとは?
LIFULL 不動産クラウドファンディングは、株式会社LIFULLが運営する不動産クラウドファンディングの検索ポータルサイトです。株式会社LIFULLは不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」を展開しており、培ってきたノウハウを活かすことで、投資物件を探す投資家と集客効率を高めたい不特法事業者の双方にとって利便性の高いサイトを提供していくと表明しています。
LIFULL 不動産クラウドファンディングは2021年2月にサイトを公開して以降、急速にサービスを拡大しています。2022年10月末時点で掲載事業者は31社、募集案件数は合計296件に達しており、不動産クラウドファンディングの比較サイトとしては大手の部類に入ります。
もっとも、案件の中にはかなりグレーなものもあるので、大手サイトだからと言って無条件に安心してはいけません。今回はLIFULL 不動産クラウドファンディングに掲載されている「ヤバい」案件を中心にみていきたいと思います。
LIFULL 不動産クラウドファンディングには「ヤバい」商品がいっぱい!
「空き家ファンド5号」は典型的な「投資詐欺」!
LIFULL 不動産クラウドファンディングに掲載されている「空き家ファンド5号」は、すべての情報がデタラメであり、典型的な「投資詐欺」だと言えます。
「空き家ファンド5号」は千葉県松戸市に本社を置く株式会社Myアセットが運用するファンドで、集めた資金を使って物件を取得、リフォームを施すことで資産価値を向上させる計画なっています。募集条件は想定利回り10%、運用期間10ヶ月(2022/12/01 ~ 2023/09/30)、総額2,100万円(一口1万円で投資が可能)とされ、短期・高利回りが期待できる魅力的な内容です。
しかし、このファンドの詳細について調べると、記載されている情報がまったくのデタラメであることが分かります。例えば、所在地とされる場所(千葉県船橋市藤原1-10-34)を検索すると、「鈴木歯科医院」という歯科医院が建っており、投資対象とされている「ウィステリアガーデンⅠ」の影も形もありません。
また、今度は逆に「ウィステリアガーデンⅠ」という物件名称を検索してみましたが、そうした物件が存在する証拠を見つけられませんでした。似たような名前の物件としては「ウィステリアガーデン」、「ウィステリアガーデンⅡ」という2つの物件がありますが、住所がそれぞれ「千葉県船橋市藤原1丁目2-24」、「千葉県船橋市藤原1丁目2-2」となっているので、前述の物件とは異なる建物のようです。
このように、「空き家ファンド5号」の掲載情報(物件名称、物件所在地)はまったくのデタラメであり、典型的な「投資詐欺」であることが分かります。同ファンドは現在募集中(募集期間: 2022/11/01 11:00 ~ 2022/11/17 23:59)となっていますが、関わらない方が良さそうです。
「わかちあいファンドPJ旧軽井沢第Ⅲ期」も不審な点がたくさん…
「わかちあいファンドPJ旧軽井沢第Ⅲ期」の概要についてですが、わかちあいファンドは滋賀県大津市に本社を置く株式会社日本プロパティシステムズが運営しています。今回の募集で集めた資金は軽井沢の別荘開発に投じる計画となっており、想定利回り7%、運用期間17ヶ月( 2022/12/01~2024/04/30)、総額9,000万円(一口10万円で投資が可能)というかなりの好条件で投資を呼び掛けています。何も知らない人であれば、喜んで応募してしまいそうな内容です。
しかし、LIFULL 不動産クラウドファンディングに掲載されている「わかちあいファンドPJ旧軽井沢第Ⅲ期」は、投資詐欺とは断定しにくいものの、不審な点がたくさんあります。具体的には、①募集広告の説明に虚偽の文章が記載されている、②運営会社に企業実態があるのかわからない、➂ファンドに投資するまでの手順がおかしい、という3つの問題点があります。
①虚偽の文章が記載されている
同ファンドは広告文で「わかちあい『PJ旧軽井沢Ⅴ』第Ⅲ期について 弊社が軽井沢地域で高級感あふれる別荘を企画・運営する株式会社ロータスカンパニーと提携。 同社は共有持分を購入した会員が利用日数をシェアするオーナーシップヴィラ事業を展開しています。 同社の軽井沢5番目となる開発物件『ブリリアント旧軽井沢Ⅴ』開発事業を当社が事業主体となり、キャピタル型わかちあいファンド『旧軽井沢Ⅴ』シリーズとして3期に分けて募集。 第Ⅰ期は主に用地取得費と建築設計費に充当。 第Ⅱ期は主に建物建築の着工費用に充当しました。 今回の第Ⅲ期は主に建物建築の中間金および最終支払いに充当します。」と説明していますが、これには虚偽の記述が含まれています。
まず、「軽井沢地域で高級感あふれる別荘を企画・運営する株式会社ロータスカンパニーと提携」という部分に関してですが、株式会社ロータスカンパニーという会社は実在するものの、同社のホームページを見てもわかちあいファンドの運営元である日本プロパティシステムズと提携している事実は見つかりませんでした。
そして、ブリリアント旧軽井沢事務局のホームページを見ると、事業主・売主・運営管理は株式会社ロータスカンパニーが担っており、日本プロパティシステムズの会社名は見当たりません。設計・管理、別荘地事業主、管理委会社にも名前がないので、おそらくこのプロジェクトの名を騙ってお金を集めているだけではないかと推察できます。
②運営会社に企業実態があるのかわからない
運営会社に企業実態があるのかわからない点も問題です。日本プロパティシステムズの本社所在地をグーグルマップで確認すると、大きな団地の一室に本社を構えていることが分かります。同社は「わかちあいファンドPJ旧軽井沢」事業だけで少なくとも2億6,000万円もの大金を集めているので、事業規模から考えればあまりにも見劣りしてしまいます。
これは支店についても同じことが言えます。同社の京都支店とされる場所はマンションの一室であり、大阪支店、東京支店、上海拠点はレンタルオフィスにすぎません。運営実態がありそうなのは草津店(テナント情報館)とエイブルネットワーク石山店(有限会社壹心プロパティーズ)に限られますが、両者のホームページを確認するとどちらも不動産仲介を主な事業としています。不動産クラウドファンディングとは縁遠い存在です。
➂ファンドに投資するまでの手順がおかしい
最後に、ファンドに投資するまでの手順がおかしいということも指摘しておきたいと思います。
わかちあいファンドのホームエージを確認すると、投資するまでの手順が「①会員登録→②投資家情報登録→➂口座入金 & 投資申込→④運用〜払出」となっています。➂について詳しくみると「投資家登録完了後、払出口座を登録いただくと、お客様専用口座が開設されます。この口座が出資金の振込口座となります。 専用口座に投資用資金を入金し、お好きなファンドに投資申込して下さい。」となっており、契約成立前に資金を振り込ませていることが分かります。
一般的な不動産取引の場合だと、不首尾となった場合に返金の手間が掛かるので、契約に係る事前説明が十分になされた後の実際の入金をもって契約が成立します。投資詐欺として有名な「みんなで大家さん」でさえ、契約締結後の出資をもって契約成立としています。このことからも、わかちあいファンドの胡散臭さは明らかです。
以上のように、わかちあいファンドとそれを運営する株式会社日本プロパティシステムズには、投資詐欺とまではいかないものの、不審な点がたくさんあります。絶対に関わってはいけません。
「18号【新規限定:応募出資額50万円限定】プレサンス梅田インテルノ」は不動産投資に興味がある人の個人情報を収集するための囮商品!?
LIFULL 不動産クラウドファンディングに掲載されている「18号【新規限定:応募出資額50万円限定】プレサンス梅田インテルノ」は、不動産投資に興味がある人の個人情報を収集するための囮商品ではないかと考えています。
その理由として、①運営会社のプレサンスリアルタと親会社であるプレサンスコーポレーション共に豊富な手許現金を有しているので、そもそも資金調達の必要性がないこと、②募集総額が投資対象物件の売買価格を下回っている(集めたお金だけでは当該不動産を購入できない)ことが指摘できます。
①運営会社のプレサンスリアルタと親会社であるプレサンスコーポレーションは共に豊富な手許現金を有しているので、そもそも資金調達の必要性がない…
「18号【新規限定:応募出資額50万円限定】プレサンス梅田インテルノ」の募集条件は想定利回り4.83%、運用期間6ヶ月(2022/12/01~2023/05/31)、総額1,000万円(一口1万円で5口から投資が可能)とされており、東証一部上場プレサンスコーポレーションのグループ企業である株式会社プレサンスリアルタが運営に携わっています。
運用会社である株式会社プレサンスリアルタの決算公告をみると、8億8,822万円の負債を抱える一方、流動資産だけで11億470万円もの資産を保有していることが分かります。豊富な資産を持っているのに、たかだか募集総額1,000万円・運用期間6ヵ月の不動産クラウドファンディングを実施する理由が分かりません。
そして、これは親会社であるプレサンスコーポレーションについても同様です。最新のIR資料を読むと、グループ全体として負債合計額(923億円7,200万円)を超える手許現金(999億1,700万円)を保有していることが分かります。運営会社であるプレサンスリアルタと親会社であるプレサンスコーポレーションの両方が資産超過にあるのに、高い金利を払ってわざわざ外部から資金調達を行う理由がありません。
なお、プレファン(株式会社プレサンスリアルタが運営する不動産クラウドファンディングサイト)に掲載されているファンド一覧をみると、ほとんどすべての案件で募集条件が「募集総額1,000万円前後、運用期間6ヵ月、予定利回り4%後半~5%」となっていました。この程度の条件なら組成コストをかけてまでファンドを運用する必要はないし、ましてや多額の広告費をかけてまで募集する必要はないでしょう。個人情報を収集する目的があるのは明らかです。
②募集総額が投資対象物件の売買価格を下回っている(集めたお金だけでは当該不動産を購入できない)
そもそも、「18号【新規限定:応募出資額50万円限定】プレサンス梅田インテルノ」には大きな問題があります。それは、仮に総額1,000万円の出資がなされたとしても、対象物件を購入することができないということです。
例えば、マンションナビというサイトでプレサンス梅田インテルノの売却価格を調べると、1室あたり1,310万円~1,510万円程度になると推定されています。購入する場合はこれに売買手数料などの諸経費が上乗せされるため、1,000万円程度では到底この不動産を取得できません。
以上のことから、このファンドの目的が不動産投資に興味を持つ人の個人情報を収集することにあるのは疑いようがありません。
まとめ
LIFULL 不動産クラウドファンディングは、LIHULL HOME’Sで有名な株式会社LIFULLが運営する不動産クラウドファンディングの検索ポータルサイトです。大手企業が携わっているので安心感がありますが、掲載されいるファンドの多くは問題を抱えています。中には「投資詐欺」と言えるものもあるので、不動産クラウドファンディングには投資しない方が良いでしょう。