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U-NEXT HOLDINGS(9418):適正株価を考える(2024年7月8日時点)
- U-NEXT(9418)は2017年USEN(音楽配信サービス)とU-NEXT(国内2位のVODサービス)が経営統合して生まれた音楽・映像サービス会社です。同社は①有料動画配信サービス「U-NEXT」を筆頭に、②店舗サービス(音楽配信/国内最大手、店舗向けDX/IoT、店舗向け不動産)、③法人・個人向けICT・光・モバイル通信(ICT/回線、MVNO、取次)、④業務用システム(業務管理システム、自動精算機)、⑤エネルギーサービス(電力・ガス販売)の5つのセグメントを営んでいます。
- U-NEXTは積極的に事業提携を行うことで事業領域・事業規模を拡大させています。同社の主力サービスは有料動画配信サービス「U-NEXT」や店舗サービス(店舗向けBGMサービス等)なので、事業提携・経営統合を繰り返して事業基盤を拡大させることで、毎期安定して収益を稼ぎ出すことができます。実際、直近5年間(2019年~2023年)で売上・利益は1.5倍ほどに膨らんでおり、増収・増益基調が続いています。コロナ禍で業績悪化に苦しむ企業がほとんどだった2020年も黒字を計上していることから、事業の成長性・安定性は群を抜いています。
- 特に、2023年はParavi(410万人超)との統合でUーNEXTの有料会員数が伸びており、好業績に大きく貢献しています。同社は2024年4月9日に通期業績予想を売上高3,000億円から3,160億円へ、営業利益240億円から285億円へ、経常利益233億円から275億円へ、純利益121億円から147億円へとそれぞれ上方修正していますが、第3四半期までの各利益の進捗(対修正後の業績予想)は80%を超えています。「4Qに販促強化等を実行も通期着地は予想を上回る見込み」とアナウンスされていること、ユーザー数が堅調に詰みあがっていることからも、今期はさらなる業績の上振れが期待できそうです。
- 7月8日のU-NEXTの株価は前日と同値の4,600円で取引を終えました。この終値と2024年8月期の業績予想値を基に株価指標を算出すると、現時点のPERは18.8倍、PBRは3.62倍、予想配当利回りは0.70%、実績配当利回りは0.47%と計算できます。一方、マネックス証券のデータによれば直近5年間の平均PERは19.2倍、平均PBRは3.87倍、平均予想配当利回りは0.61%、平均実績配当利回りは0.46%となっています。ここから4,700円~5,000円くらいが適正な株価だと判断できます。
- U-NEXTは3月29日に上場来最高値の5,320円を記録しましたが、理論株価を超えているためか、その後は調整局面が続いています。今回発表された2024年8月期第3四半期決算では好決算が発表されたものの、上方修正、自社株買い、増配といったサプライズはありませんでした。そのため、上場来最高値の更新は難しいのではないかなと思っています。来期の業績予想が発表されるまでは、理論株価4,700円から5,000円の間で推移しそうです。
U-NEXT HOLDINGS(9418)の企業概要
U-NEXT HOLDINGS(9418)は2017年USEN(音楽配信サービス)とU-NEXT(国内2位のVODサービス)が経営統合して生まれた音楽・映像サービス会社です。同社は①有料動画配信サービス「U-NEXT」を筆頭に、②店舗サービス(音楽配信/国内最大手、店舗向けDX/IoT、店舗向け不動産)、③法人・個人向けICT・光・モバイル通信(ICT/回線、MVNO、取次)、④業務用システム(業務管理システム、自動精算機)、⑤エネルギーサービス(電力・ガス販売)の5つのセグメントを営んでいます。
U-NEXTは積極的に事業提携を行うことで事業領域・事業規模を拡大させており、2015年ソフトバンクと組みアニメ見放題定額サービスを開始「U-NEXT」、個人向け定額音楽配信サービス「スマホでUSEN」を開始(USEN)、2016年CCCグループと共同で新会社設立(U-NEXT)、2021年ケイアイスター不動産<3465>グループと業務提携、2023年U-NEXTとParaviが事業統合(U-NEXTにParaviサービスを移管)するなどしています。その甲斐もあってか企業業績は順調に推移しており、2018年の決算期の変更を除けば10年以上増収を続けるなど好調な様子が伺えます。
U-NEXT HOLDINGS(9418)の業績は?
先ほども少し述べたように、U-NEXTは積極的に事業提携を行うことで事業領域・事業規模を拡大させています。同社の主力サービスは有料動画配信サービス「U-NEXT」や店舗サービス(店舗向けBGMサービス等)なので、事業提携・経営統合を繰り返して事業基盤を拡大させることで、毎期安定して収益を稼ぎ出すことができます。実際、直近5年間(2019年~2023年)で売上・利益は1.5倍ほどに膨らんでおり、増収・増益基調が続いています。コロナ禍で業績悪化に苦しむ企業がほとんどだった2020年も黒字を計上していることから、事業の成長性・安定性は群を抜いています。
U-NEXTの四半期業績の推移をみると、事業がいかに安定しているかが良く分かります。特に、2023年はParavi(410万人超)との統合でUーNEXTの有料会員数が伸びており、好業績に大きく貢献しています。同社は2024年4月9日に通期業績予想を売上高3,000億円から3,160億円へ、営業利益240億円から285億円へ、経常利益233億円から275億円へ、純利益121億円から147億円へとそれぞれ上方修正していますが、第3四半期までの各利益の進捗(対修正後の業績予想)は80%を超えています。「4Qに販促強化等を実行も通期着地は予想を上回る見込み」とアナウンスされていること、ユーザー数が堅調に詰みあがっていることからも、今期はさらなる業績の上振れが期待できそうです。
U-NEXT HOLDINGS (9418)の適正株価は?
7月8日のU-NEXTの株価は前日と同値の4,600円で取引を終えました。この終値と2024年8月期の業績予想値を基に株価指標を算出すると、現時点のPERは18.8倍、PBRは3.62倍、予想配当利回りは0.70%、実績配当利回りは0.47%と計算できます。一方、マネックス証券のデータによれば直近5年間の平均PERは19.2倍、平均PBRは3.87倍、平均予想配当利回りは0.61%、平均実績配当利回りは0.46%となっています。
これらの過去5年間の平均的な株価指標を基に理論株価を推定すると、4,700円~5,000円くらいが適正な株価だと判断できます。7月8日時点の株価が4,600円なのでほぼ妥当な株価と言えますが、業績予想に対する進捗が良好なこと、決算説明会資料で通期業績の上振れが示唆されていることから、第3四半期決算明けの明日は株価が上昇するのではないかと思います。理論株価の上限が5,000円となっているため、上値を追うのは避けた方が良いでしょう。高値での売買は避け、押し目買いを狙う方が成果が出そうです。
U-NEXT HOLDINGS(9418)の株価はどう動く?
U-NEXTの5年週足チャートを見ると、堅調な業績の推移を受けて、株価も最高値を更新し続けていることが分かります。同社は3月29日に上場来最高値の5,320円を記録しましたが、理論株価を超えているためか、その後は調整局面が続いています。今回発表された2024年8月期第3四半期決算では好決算が発表されたものの、上方修正、自社株買い、増配といったサプライズはありませんでした。そのため、上場来最高値の更新は難しいのではないかなと思っています。来期の業績予想が発表されるまでは、理論株価4,700円から5,000円の間で推移しそうです。