【景気先行指数を読む(2024年6月10日)】世界経済は回復基調!

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【景気先行指数を読む(2024年6月10日)】世界経済は回復基調!

この記事のポイント
  • OECDが公表している景気先行指数(CLI:composite leading indicator)をみると、世界経済(G20)は2022年の半ばを底にして、中国経済の回復と連動する形でゆるやかな回復基調にあることが分かります。
  • 一方、日本は構造的な問題から景気拡大・縮小の基準となる「100」付近で推移し続けています。政治的な改革や産業再編(不法移民の強制送還・外国人生活保護の廃止、子ども家庭庁の廃止と子育て世代への直接減税、銀行・不動産業の再編、大学数・学部数の削減等)が期待できない以上、日本経済は大きな変化を遂げないまま、現状維持となりそうです。今後は、世界経済と歩調を合わせて緩やかな景気拡大を果たせるかが焦点となるでしょう。

景気先行指数をみると、世界経済は回復基調

「OECDの景気先行指数(2024年6月10日時点)」OECDのHPより

「OECDの景気先行指数(2024年6月10日時点)」OECDのHPより(画像はすべてクリックすると拡大します)

OECDが公表している景気先行指数(CLI:composite leading indicator)をみると、世界経済(G20)は2022年の半ばを底にして、ゆるやかな回復基調にあることが分かります。

2020年のパンデミックによって経済活動が著しく制限された後、世界各国が積極的に景気刺激策を導入したことで、世界経済は急速に回復しました。そして、2021年末頃からFRB(The Federal Reserve Board:日本における日銀と同じ、米国の中央銀行制度の最高意思決定機関)が量的緩和政策を修正し始めると、景気はゆるやかに減速。ロシア・ウクライナ戦争(2022年2月24日~)、中国上海市のロックダウン(2022年3~5月末)による物価高・物流の混乱の影響も手伝って、2022年半ば頃まで景気後退局面に入りました。

その後、上海市のロックダウンが解除されて経済活動が再開したことで、世界経済は次第に落ち着きを取り戻していきました。2024年の初めに中国が景気拡大局面に入ると、数か月遅れてG20も景気が回復。2023年7月以降、FRBが金利引き上げを停止したこともあって、世界経済は不安を抱えながらもゆるやかな回復基調を辿っています。

「OECDの景気先行指数(2024年6月10日時点、除くG20)」OECDのHPより

「OECDの景気先行指数(2024年6月10日時点、除くG20)」OECDのHPより(画像はすべてクリックすると拡大します)

なお、日本はコロナ禍以来、景気の拡大・縮小局面の基準とされる「100」付近で推移し続けています。原材料・人件費の高騰を価格転嫁に結びつけにくい企業心理、少子高齢化などの構造的な問題によって、景気拡大も景気縮小も起こらない一種の均衡状態に陥っています。政治的な改革や産業再編(不法移民の強制送還・外国人生活保護の廃止、子ども家庭庁の廃止と子育て世代への直接減税、銀行・不動産業の再編、大学数・学部数の削減等)が期待できない以上、日本経済は大きな変化を遂げないまま、現状維持となりそうです。今後は、世界経済と歩調を合わせて緩やかな景気拡大を果たせるかが焦点となるでしょう。

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