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成田プロジェクトが延期に…。みんなで大家さんはついに破綻か?
- 成田プロジェクトとは、共生バンク株式会社が手掛ける不動産開発プロジェクトの一つで、成田国際空港からほど近い場所に日本のビジネスシーズや日本の魅力・文化を発信する複合施設を作ろうという計画です。当初は全国の特産品が揃う日本最大の特産品市場「にっぽんもーる」やジャパン・ブランドの世界進出支援のためのビジネスゾーン「にっぽんBizもーる」を建設する予定でした。
- しかし、2023年5月19日に「昨今のコロナ禍による経済の停滞、及びウクライナ紛争下における不安定な経済環境」を理由に突如として開業時期の変更を発表。最終的な開業予定は初期の計画から1年延期された2026年年度末の予定とされました。
- また、プロジェクトの延期とともに事業計画の見直しも発表されました。当初の日本の魅力・文化を発信する複合施設の建設計画が白紙になり、オランダのフードバレー(食の科学とビジネスに関する一大集積拠点)を模した「日本版フードバレー(仮称:ULTRACOLD FOOD VALLEY )」関連の施設が整備されるようです。
- みんなで大家さんは「土地の造成・開発を行う事業者に対象不動産を賃貸し、そこから得られる賃料を分配」することで成り立ちますが、延期が発表された成田プロジェクト関連商品の分配金については何の説明もされていません。みんなで大家さんは計画倒産するのかもしれません…。
成田プロジェクトとは?
成田プロジェクト(共生日本ゲートウェイ成田プロジェクト)とは、共生バンク株式会社が手掛ける不動産開発プロジェクトの一つです。日本の玄関口である「成田国際空港」から車で3分の土地に、全国47都道府県の特産品が揃う日本最大の特産品市場「にっぽんもーる」やジャパン・ブランドの世界進出支援と創造・実践のためのビジネスゾーン「にっぽんBizもーる」を建設し、「インバウンド消費」と「メイド・イン・ジャパンの海外進出」の2つのコンセプトを具現化した街を創造する計画となっています。
成田プロジェクトの開業が1年延期に、事業計画も大きく変更される
成田プロジェクトの開発スケジュールの変遷
成田プロジェクトの事業計画としては、林地開発行為(森林の伐採や土地の造成に関する工事)の許可が2019年10月29日~2021年3月31日の期間で下りていましたが、どういう訳か造成工事の期間が2020年7月~2023年6月に後ずれしています。
全体的な施設の開業時期についても、当初は2025年春の開業予定とされていましたが、2023年5月19日に「昨今のコロナ禍による経済の停滞、及びウクライナ紛争下における不安定な経済環境」を理由に突如として開業時期の変更を発表。現在行われている工事が一旦中止され、造成工事が2024年4月~2024年11月末、建築工事が2024年12月~2026年12月、そして最終的な開業予定は初期の計画から1年延期された2026年年度末の予定とされました。
成田プロジェクトの内容も大きく変更される
成田プロジェクトの事業主体である共生バンク株式会社は、工事進捗の遅れに関する報告とともに事業計画の大幅な変更も公表しています。それによると、計画されていた「インバウンド消費」と「メイド・イン・ジャパンの海外進出」を目的とした施設の建設が中止され、オランダのフードバレー(食の科学とビジネスに関する一大集積拠点)をベンチマークとした「日本版フードバレー(仮称:ULTRACOLD FOOD VALLEY )」関連の施設が整備されるようです。具体的な内容としては、集客施設として、和食文化を楽しむフードホールスタジアム、食品工場の見学を楽しむファクトリーゾーン、研究施設として、食品研究を行う企業が集まり、産学連携のもと定量的な分析と官能調査の研究を行うR&D施設の設置が予定されています。
また、上記計画を第一期事業計画とし、新たに第二期事業計画を加えた開発を行う方針も示されています。事業主は未定ながら、既に新たな事業計画用地(約50万㎡)の確保に動いているようで、何かあればタイムリーに情報開示されるとのことです。
成田プロジェクトの延期でみんなで大家さんの分配金はどうなるの?
みんなで大家さんの仕組み
みんなで大家さんの仕組みは、次のようになっています。まず、都市綜研インベストファンド株式会社という会社が成田プロジェクトの不動産を取得し、その土地を共生バンク株式会社に貸し出すことで賃貸収益を得ます。次に、都市綜研インベストファンドは保有している不動産とそれに係る権利を小口化し、みんなで大家さんという名前の不動産投資商品として一般投資家から出資を募ります。そして、都市綜研インベストファンドは不動産から得られる賃貸利益を出資割合に応じて各事業参加者に分配することで、一般投資家に収益を還元する流れとなっています。
成田プロジェクト関連商品の分配金はどうなるの?
都市綜研インベストファンドは上記の方法を用いて、「みんなで大家さん シリーズ成田〇〇号」という名称の不動産投資商品を組成・販売しています。2023年6月時点ではシリーズ1号から15号にわたって総額1,386億4,800万円(1口100万円、募集総口数は累計で138,648口)もの出資を募っており、その利回りは7%に達しています。
上の画像の『「シリーズ成田15号」は、土地の造成・開発を行う事業者に対象不動産を賃貸し、そこから得られる賃料を分配いたします』という商品説明からも分かるように、シリーズ成田は成田プロジェクトの事業主である共生バンク株式会社から賃料を受け取っているはずなので、プロジェクトが延期されるということはその間の収益が発生しないということになります。
本来であれば、「今後の分配金をどうするのか?」等の説明があってしかるべきですが、みんなで大家さんのサイトを見ても『「成田空港周辺開発プロジェクト」事業計画についての近況報告』というお知らせ以外は何のアナウンスもされていません。分配金に関する方針が示されないということは、もしかするとみんなで大家さんの破綻が近いということを意味しているのかもしれません…。
まとめ ~みんなで大家さんは投資詐欺です!~
今回は成田プロジェクトの遅延と事業計画の変更をテーマに、分配金に関するアナウンスがないという問題点を指摘しました。しかし、最大の問題は実はそこにはありません。過去の記事(「みんなで大家さん」は破綻間近のポンジスキーム!)でも取り上げてたように、みんなで大家さんは①廃墟モールをバイオテクノロジーセンターと偽るなどデタラメな商品を販売していたり、②粉飾決算を行ったりしています。かなり悪質な投資詐欺なので、絶対に投資しないようご注意ください!
YouTubeで、いろいろな方々が動画をアップされていますが、いずれも「おすすめしない」で一致しています。不動産投資のようで不動産投資ではないように思えて仕方がありません。理由ですが、ファンド投資なので、投資した不動産物件の所有権がないからです。あと、グループ企業内でお金を回しているようなのが気になります。広告どおりの優良な物件であれば、なぜそんなに広告をしなければならないのか、つまり、自転車操業をしているのではないか、という疑いをもってしまいます。被害者(情弱というより不勉強な)が出ないことを願っております。
コメントありがとうございます。
おっしゃるように、みんなで大家さんは投資詐欺で間違いありません。
基本的には、
1.安価な不動産に対して高額な評価額をつけて多額の出資金を募集(例:100万円の土地を1億円の価値があると偽り、資金を集める)。
2.不動産購入額(購入していない可能性の方が高い)と集めた資金の差額を配当金として支払う。
3.一連の活動を通して(運営費用と称して)不当な収入を得る。
という手口だと考えています。
ただ、高利回りを謳っているため現実には配当金・出資金が賄いきれず、最近は募集資金がどんどん拡大しています。
もうそろそろ立ち行かなくなっていく規模に達するはずなので、被害者の方が増えないよう、身近な人への注意喚起をお願いいたします!
なお、グループ企業内でお金を回している等のご指摘は的を得ています。「ともいきの国 伊勢忍者キングダム」関連の商品が募集されており、グループ企業にお金を流しています。
みんなで大家さんを運営する都市綜研インベストファンド株式会社は過去にも行政処分を下されており、信用してはいけません。
投資詐欺で間違いはないのでご注意を!
不思議なんですが、延期と簡単に都市綜研は先延ばしにしてますが、この箱に入るテナントは当初の開業予定から遅れるのって問題にならないのでしょうか。
通常であれば、ある程度の入居テナントの算段がついていて、この手の開発事業を行うものと思いますが…
まぁそもそもこんな辺鄙な場所に開業するオフィスや店舗等のテナントがいるとは、到底思えませんが。
コメントありがとうございます。
結論から先に述べると、成田プロジェクトに関しては端から入居テナントなど存在せず、この開発計画自体が詐欺であると考えています。
開発主体となっている都市綜研インベストバンクグループはみんなで大家さんの「シリーズ成田」という商品を組成し、累計で数百~数千億円の資金を集めています。一方、同グループは表面的には県の開発許可を取得して工事を行っているものの、公開されている画像や動画を見る限り重機や人員の数が明らかに不足しており、集めた資金の規模と工事の進捗が見合っていません。したがって、同グループは資金集めが目的であり、最初からプロジェクトを完遂する意思はないのだと思います。
なお、余談ですが、詐欺罪が成立するには「人を欺く意思があるかどうか」が焦点となります。成田プロジェクトの開発を部分的に進めることで、裁判の際に自分に有利になるよう証拠づくりをしているのかもしれません…。