【会計不正のオンパレード】colaboの再調査結果がおもしろい(まとめ)

【会計不正のオンパレード】colaboの再調査結果がおもしろい(まとめ)

【会計不正のオンパレード】colaboの再調査結果がおもしろい(まとめ)

この記事のポイント
  • colaboの再調査結果を個人的にまとめると、報告書では「問題なし」と判断されたほぼすべての費目に「会計不正」や「不適切な会計処理」が隠されていることがわかります。
  • 特に、再調査結果と会計報告を比較すれば、colaboの会計処理の異常さが一目瞭然です。暇空茜氏が住民監査請求に絡むいくつかの訴訟を提起しているので、その結果を楽しみに待ちましょう。

【colaboの再調査結果まとめ】

会計不正:帳簿の改ざん等の不正行為、不適切な会計処理:会計処理の誤り等、判定不能:事実認定に誤りがある

勘定科目 会計不正 不適切な会計処理 判定不能 判断理由
(1)人件費 調査結果が矛盾している
(2)事務所・居場所運営費 按分計算がされていない
(3) 給食費 全体的に高額、不適切な支出も含まれている
(4)通信運搬費 妥当だと信じたい
(5)医療費 委託外の事業であり、計上していること自体が問題
(6)備品購入費 エアコンとパソコンの品目名を間違えるなどありえない、減価償却されていない
(7)消耗品費 按分計算されていない
(8)旅費交通費 バスカフェ事業は委託外の事業である、不適切な支出が含まれている
(9)宿泊支援費 不適切な支出が含まれている
(10)車両関連費 月極駐車場代は地代家賃、そもそも未使用品は費用処理できない
(11)各種保険 按分計算されていない
(12)会議費 colaboの会計報告に計上されている額よりも多い(会計報告が誤っているのなら納税額が間違っていることになる)
(13)ソフトウェア どんなソフトウェアなのか等の説明がない(NPOが無形固定資産を計上する必要がない)、減価償却されていない

colaboの再調査結果を個人的にまとめると上の表になりました。報告書ではなぜかほとんどの個所で「問題なし」と判断されていますが、簿記3級くらいの知識があれば(4)通信運搬費以外のすべての費目に「会計不正」や「不適切な会計処理」が隠されていることがわかります。

なお、colaboの会計帳簿に目を通したわけではないので、通信運搬費に本当に問題がないかは分かりません。調査報告書の記載内容に基づいて判定しただけですので、ご了承ください。

補足)会計報告と再調査結果の矛盾について

「colaboの2021年度会計報告」2021年活動報告書より

「colaboの2021年度会計報告」一般社団法人colabo 2021年活動報告書より

colaboの会計処理の異常性については会計報告と見比べることでより一層明確になります。そこで最後に、活動報告書と再調査結果の矛盾点を指摘して終わりにしたいと思います。

MEMO
colaboの会計報告には納税額(法人税、住民税及び事業税)が記載されています。つまり、この報告に問題があれば納税額が誤っている(脱税の可能性がある)ということになります。

人件費に関する記述の矛盾

「colabo再調査結果の報告書(人件費部分)」東京都監査局事務局資料より

「colabo再調査結果の報告書(人件費部分)」東京都監査局事務局資料より

報告書内に「税理士等は、本事業に関することだけでなく、団体の他事業にも関与していることを踏まえると、支払われた報酬全額を本事業の経費として計上することは適切ではないことから、按分するように指導し、その結果、612,912円が過大計上となっていた。なお、当該経費の按分の考え方であるが、団体の事業費の全体額(当該報酬を除く)のうちで本事業の経費(当該報酬を除く)が占める比率を乗じて、算出した。上記の結果、職員の給与8,804,836円、税理士報酬、社会保険労務士報酬等201,088円の合計9,005,924円が支出されていることを確認した。」という記述があります。

仮にこの内容が正しいとすると、「団体の事業費の全体額(当該報酬を除く)のうちで本事業の経費(当該報酬を除く)が占める比率」は約24.7%(201,880円÷⦅612,912円+201,088円⦆)であることが分かります。

MEMO
colaboの会計には誤記(6件370,022円)が含まれていたりしますが、修正前の帳簿を基に計算しているようなので、ここではそれに合わせて計算しています。再調査の結果、報告書記載分だけで総額△1,926千円の過大計上が見つかっているので、精査すれば数値も大きく変わると思われますが、ご了承ください。
「colaboの2021年度会計報告」2021年活動報告書より

再掲:「colaboの2021年度会計報告」一般社団法人colabo 2021年活動報告書より

ここで、2021年度会計報告をみると総事業費は109,828,745円となっているので、若年被害女性支援事業の総事業費は「27,328,788円(総事業費109,828,745円×若年被害女性支援事業の経費割合24.7%+按分後の税理報酬等201,088円)」となることが分かります。

この数字は調査後の経費とほぼ等しいので、一見すると正しい数字に思えます。しかし、今度は「賃金台帳及び振込履歴を確認したところ、本事業に従事している職員の給与は総額で22,479,576円であったが、うち13,674,740円については、本事業の管理台帳に記載されていなかったため、対象経費には含めないものとする。」という記述と矛盾します。

前述のとおりcolaboの若年被害女性支援事業の総事業費が会計報告記載額27,328,788円と等しく、そのうち委託事業の人件費が22,479,576円かかったとすると、その他経費は4,849,212円以下でなければなりません。しかし、再調査後の経費は18,126,000円(千円以下切り捨て)となっており、明らかに再調査結果もしくは会計報告の数値が間違っていることになります。colaboの会計はまったくのデタラメです。

その他経費についての矛盾

(2)事務所・居場所運営費

地代家賃・光熱水費については活動報告書の会計報告額(それぞれ11,578,530円、1,662,255円)のうちの17.0%、15.2%しか経費として申請されていません。colaboは医療支援事業や啓発事業なども行っているものの、その大部分はアウトリーチ事業や緊急時の保護・宿泊支援事業に関するものです。「団体の事業費の全体額のうちで本事業の経費が占める比率」も24.7%なので、実態はもっと高額でなければならず、明らかに東京都に申告した事業費額が過小すぎます。どんぶり会計であることは自明でしょう。

(3) 給食費と(5)医療費

 

「東京都若年被害女性等支援事業実施要綱」

【東京都若年被害女性等支援事業実施要綱】

給食費については会計報告額3,956,070円のうち経費額は再調査後の数字で2,464,989円(62.3%)となっています。しかし、東京都若年被害女性等支援事業実施要綱には給食事業に関する記載はありません。一時保護に係る費用もあると思いますが明らかに過大計上となっています。

なお、医療費についても同様です。委託事業外の費用なので計上していることが問題です。また、その金額もあまりにも高額すぎます。

(11)各種保険

各種保険(colaboは本来「人件費」である法定福利費も各種保険として管理しているのでここに含めています)についてみると、会計報告記載額3,959,462円のうち3,212,344円(81.1%)を委託事業の経費として報告しています。

このうち会計報告の法定福利費を合計すると3,350,332円となっており、ほぼすべての法定福利費を経費にしたことになります。しかし、先に見たように「賃金台帳及び振込履歴を確認したところ、本事業に従事している職員の給与は総額で22,479,576円であったが、うち13,674,740円については、本事業の管理台帳に記載されていなかったため、対象経費には含めないものとする。」としているので、colaboは人件費のほとんどを経費としていないはずです。

それにもかかわらず、人件費に比例する形で発生する法定福利費を計上しているのは筋が通りません。人件費を計上するなら法定福利も併せて計上すべきであり、人件費を計上しないならその分の法定福利費も計上してはいけません。colaboの会計は明らかに異常です。

(12)会議費

会議費については過去の記事で触れたように、会計報告計上額116,811円よりも経費額204,540円の方が大きくなっています。意味が分かりません。

会計報告と再調査結果の矛盾について

以上のように、colaboの会計には大きな矛盾が隠されています。より正確に表現するなら、「帳簿自体がまったくのデタラメである」というべきかもしれません。再調査結果をみるかぎり、帳簿や領収書も偽造・改ざんされているようなので、調べれば調べるほど数字は大きく変わっていくと思われます。

この件に関しては暇空茜氏が住民監査請求に関して訴訟を提起しているので、面白いデータが次々と開示されるかもしれません。皆で楽しく待ちましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA