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アメリカ中間選挙は「レッド・ウェーブ」が起こらず…
- 2022年11月8日に実施されたアメリカ中間選挙は予想されていた「レッド・ウェーブ」が起きない異例の展開となりました。
- 改選前に比べてやや勢力を落としたものの、バイデン政権が権力を掌握し続けることで、人権擁護と環境政策がさらに加速すると予想。
- ウクライナへの支援が続き、化石燃料に対する規制が強化されることで、インフレは再燃。さらに、不法移民によってアメリカの政情は混乱すると予測。結局、世界経済の不透明感がより一層増すことに…。低PBR銘柄やキャッシュ・リッチ(保有資産の多い)銘柄へ投資するなど、防衛策は念入りに!
アメリカ中間選挙の現状
2022年11月8日に実施されたアメリカ中間選挙ですが、未だ決着がついていません。開票作業が進められているのの、期日前投票や郵便投票の数が増えたり、一部の地域で投票危機が故障したりしたことで、開封作業が滞っているようです。
今回の選挙での一番の驚きは「レッド・ウェーブ」が起きなかったことにあります。選挙直前の情勢では共和党が圧倒的に有利だったにもかかわらず、蓋を開けてみればかなりの接戦が繰り広げられています。上院・下院ともに過半数を獲得できるか危うい状況となっており、もしかするとどちらも民主党が制する可能性すら残されています。
民主党が勝利すると日経平均はどうなるのか?
前回の記事(「近づく米中間選挙。選挙と株価の関係は?」)でもお伝えしたように、バイデン政権は人権擁護と環境政策を強く押し出しています。したがって、ウクライナへの支援がこれまで以上に行われ、化石資源の開発・利用は引き続き抑制されることになりそうです。
そうなると、ロシア―ウクライナ間の戦闘が激しさを増すことでエネルギー価格の上昇は今後も継続し、小麦をはじめとする食料価格も高止まりを続けるでしょう。また、移民政策についても寛容な姿勢で臨んでいるので、南米からアメリカへの不法移民数は2022年も過去最高を更新すると予測されます。アメリカ国内では物価高と人口増加が重なってインフレが再び加速し、金利の引き上げが続くことになりそうです。
結局、今までと変わらない世界が待ち受けています。インフレと金利の引き上げで経済は疲弊し、市場は経済指標の些細な変化で一喜一憂。株価は乱高下を繰り返しながら下落し、やがては墜落。「レッド・ウェーブ」は起きませんでしたが、そのことで経済がより一層不安定化しています。長期投資には向かない時期が続きますので、低PBRの銘柄やキャッシュ・リッチ(保有資産の多い)銘柄への投資がよさそうです!