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セーフィー(4375):大幅な下方修正でストップ安。下値の目途は?
- セーフィー(4375)は2022年8月10日の2022年12月期第2四半期決算発表で、大幅な下方修正を発表。高成長を期待していた投資家を裏切ることになったため、市場はストップ安に…。
- 500円付近の出来高が1,700万株を超えているが、支えきれないと予想。400円、300円の節目で反発するかもしれないが、今後も1~2年は赤字が続くことから最悪200円くらいまで下落すると考えれる。ホルダーの方は損切かポジションの整理が必要。
大幅な下方修正を発表してストップ安に…
セーフィー(4375)は2022年8月10日の2022年12月期第2四半期決算発表で、売上高を1,800百万円(前回予想比△16.4%)、営業利益を△500~1,000百万円へ大幅に下方修正しました。
同社は修正理由について①新規顧客の獲得および既存顧客からの売上がいずれも想定を下回ること、②新規顧客開拓に当初想定よりも時間を要していること、➂既存顧客からの売上増加が想定を下回る推移だったことを挙げています。
今回の下方修正はまったくのサプライズだったため、決算明け後の取引は売りが殺到してしまい、一回も寄り付くことなくストップ安となりました。
セーフィーは前回の決算でも重視していたKPI指標(課金カメラ台数)を下方修正するなど、投資家の信頼を一方的に裏切っています。今回の下方修正もあまりにも酷い内容なので、同社は完全に市場から見放されることになりそうです。
セーフィーの下値の目途は?
上場来最安値を更新するため、テクニカル分析は役に立たない
セーフィーの5年週足チャートをみると、500円の節目で大きな出来高を伴って反発していることが分かります。500~600円付近で出来高が1,700万株以上膨らんでいるので、普通なら500円が支持線となりそうです。しかし、今回の決算内容(売上減少・赤字拡大)があまりにもひどいため、ほぼ確実に支えきれないと思います。
そうなると、次の下値の目途は節目の400円や300円となりますが、黒字化への道のりがあまりにも遠いことから、ここでも支えきれないと考えています。結局、上場来最安値を大きく更新するため、テクニカル分析は役に立ちそうにありません。
ファンダメンタルを考慮すると下値の目途は200円?
セーフィーは現状で100億円近い現預金を保有しています。そこから負債(約11億円)と下期の赤字額(約9億円)を差し引くと、今期末時点で80億円近い現預金を保有する計算になります。翌期、翌々期も赤字が続くと予想されるので、2期合計で20億円の損失を出すと仮定すれば、24年末時点で約60億円近い現預金が手元に残ると予測できます。
セーフィーの発行済株式数は約5,200万株なので、黒字化を達成するまであと2年近い時間がかかったとしても、一株当たり115円程度の現預金はほぼ間違いなく有していることになります。実際はこれに売掛金や受取手形などの流動性の高い資産も加わるので、最低でも150円程度の株価は維持できると思われます。
また、セーフィーは今回の決算で大幅な下方修正を行いましたが、課金カメラ台数は増加しています。成長力が鈍化したとはいえ、少なからず増収は続きます。将来の業績期待を加味すれば、200円程度の株価は期待できるでしょう。
以上、ファンダメンタルを考慮すれば、下値の目途は200円前後ということになります。節目の400円、300円で反発する可能性が高いですが、今の事業環境が変わらない限り、長期的には200円近い株価まで下落すると考えられます。
セーフィー株ホルダーの方は損切りやポジションの整理を検討した方が良さそうです。