【中級者~上級者向け】テクニカル分析を理解するならこの一冊「マーケットのテクニカル分析―トレード手法と売買指標の完全総合ガイド」

マーケットのテクニカル分析 トレード手法と売買指標の完全総合ガイド

【中級者~上級者向け】テクニカル分析を理解するならこの一冊「マーケットのテクニカル分析―トレード手法と売買指標の完全総合ガイド」

この記事のポイント
  • マーケットのテクニカル分析―トレード手法と売買指標の完全総合ガイドは、ダウ理論やチャートパターンといったテクニカル分析の基礎から、市場間分析、株式市場の指標といった関連分野を体系的にまとめた本です。
  • 新高値・安値銘柄数などの指標やエリオット波動論など、一般的な書籍では触れられていないことも網羅的に説明されているので、初心者だけでなく中級者や上級者の方にも勉強になると思います。是非ご一読ください。

「マーケットのテクニカル分析」のハイライト

テクニカル分析とは将来の価格の動向を予測するために、主にチャートを使って市場の動きを研究することである。ここで述べた「市場の動き(価格の動向)」には、テクニカルアナリストに利用できる3つの重要な情報である価格・出来高・取組高が含まれている(ただし、取組高は先物・オプション取引でのみ使用される)。No.285  (Amazon Kindle位置情報)

「マーケットのテクニカル分析」では、テクニカル分析をチャートと出来高を使って市場の動きを読み解くものであると定義しています。その前提として、①市場の動きはすべてを織り込んでおり、②価格はトレンドを形成する、③歴史は繰り返す、以上の3点を挙げています。

①市場の動きはすべて織り込んでいるということは、値動きが需要と供給の変化を反映しているということを意味しています。ファンダメンタルズの変化であれ、政治的な要因であれ、価格変動の原因がいかなるものでも、究極的には需給の変化を通じて価格に反映されます。したがって、テクニカル分析を行うことで、原因はわからないものの、ファンダメンタルに先行して将来価格を予測できるようになります。

②価格はトレンドを形成するということは、価格が長い期間一つの方向に動き続けることを意味しています。トレンドが発生しないなら価格も大きく上下しないため、テクニカル分析を行う必要も、そもそも投資する必要もなくなります。

③歴史は繰り返すということは、過去に一定のチャートパターンが機能したのなら、それは将来にも機能するだろうということを意味しています。テクニカル分析は人間の心理そのものの研究です。人間の心理が簡単に変わらない以上、歴史は繰り返す可能性が高いといえます。

ブレイクに関する「3%ルール」というものがある。この価格フィルターは、主に長期トレンドがブレイクされたときの判定に用いられる。それは終値ベースで見て、少なくとも3%のブレイクを必要とするものだ(略)。No.1150

この本ではブレイクアウトの解説も丁寧に行われています。

例えば、ブレイクアウトの有効性に関して、トレンドラインが突破されずに経過した時間の長さとトレンドが試された回数が多いほどブレイクアウトの重要性が増すことや、日中取引でのブレイクよりも終値でトレンドラインを突破したほうが重要性が増す、といった基本的なこともしっかりと説明しています。

それに加えて、上述の3%ルールや2日間ルール(ブレイクアウト後の終値が2日連続してブレイクアウトする必要があるというルール)、ブレイクアウト後の目標価格の設定方法など、ブレイクアウトの有効性を事後的に判断できるルールを紹介しており、投資初心者の方でも明確な基準に基づいて相場判断ができるように工夫されています。

強い市場の下では、新高値の数は新安値の数よりも相当多くなければならない。新高値の数が減少し始めたら、あるいは新安値の数が増加し始めたら、警告のシグナルとなる。No.5024

この本では市場を分析するための指標の一つとして、新高値銘柄数と新安値銘柄数も例示しています。新高値銘柄とは過去一年間の最高値(その年の高値を更新した銘柄や、上場してから高値を更新した銘柄など定義によって異なります)を更新した銘柄のことで、新安値銘柄とは過去1年間で安値を更新した銘柄のことを指しています。

市場平均が高値を更新していくような強気相場では、必然的に新高値銘柄数も増えていきます。逆に言うと、強気相場で新高値銘柄数が減少すると、市況悪化を示すサインになります。注意が必要です。

「マーケットのテクニカル分析」のおすすめポイント

マーケットのテクニカル分析―トレード手法と売買指標の完全総合ガイドは、ダウ理論やチャートパターンといったテクニカル分析の基礎から、市場間分析、株式市場の指標といった関連分野を体系的にまとめた本です。

テクニカル分析の書籍はたくさんありますが、各用語の定義やチャートパターン完成後の動きまでしっかりと解説してくれる本はなかなか見かけません。これまでの自分の知識を再確認するという意味でも買う価値は十分にあると思います。

また、新高値・安値銘柄数などの指標やエリオット波動論など、一般的な書籍では触れられていないことも網羅的に説明されているので、初心者だけでなく中級者や上級者の方にも勉強になると思います。どんな方にも満足できる内容となっているので、是非ご一読ください。

 
なお、関連本に「マーケットのテクニカル分析練習帳」という本があります。この本を元に、テクニカル分析の知識を問う問題が多数出題されています。自分の習熟度を確認するのに最適な本となっていますので、ぜひこちらも併せて購入下さい。
 

「マーケットのテクニカル分析」の著者

「マーケットのテクニカル分析」の著者はジョン・J・マーフィーです。元メリルリンチのテクニカル分析部門の責任者として、30年以上テクニカル分析に従事していました。現在は、投資家向け分析サービスを提供するマーフィーモリスという会社を経営しています。

また、アメリカCNBCテレビのテクニカルアナリストを7年間務めたり、「市場間分析入門」、「ビジュアル・インベスター」などの著書も出版するなど、メディアを問わず幅広い分野で活躍しています。

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