シーアールイー(3458):上方修正期待も来期は大型開発案件がないため要注意|上方修正期待銘柄

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シーアールイー(3458):上方修正期待も来期は大型開発案件がないため要注意|上方修正期待銘柄

この記事のポイント
  • シーアールイー(3458)は、国内でも数少ない物流不動産分野に特化した企業で、 物流不動産の開発、マスターリース、プロパティマネジメント、リーシングからアセットマネジメントまで、幅広いサービスを展開しています。
  • シーアールイーの業績は2015年4月以降ほぼ右肩上がりとなっています。2018年7月期と2019年7月期が減益になっていますが、これは大型物流施設の開発案件がなかったことが原因です。
  • シ-アールイーは物件の開発だけではなく不動産管理事業も行っているので、売却後も管理面積の増加によってマスターリース事業の安定成長が期待できます。
  • シーアールイーは、第2四半期の時点で既に通期の業績予想を上回る利益を上げています。通期業績予想の達成は確実です。
  • 22年7月期は開発案件の売却予定がありません。そのため、減収・減益となる恐れがあります。長期保有は避けた方が無難です。

シーアールイーってどんな企業?

シーアールイー(3458)は、国内でも数少ない物流不動産分野に特化した企業で、 物流不動産の開発、マスターリース、プロパティマネジメント、リーシングからアセットマネジメントまで、幅広いサービスを展開しています。

シーアールイーの事業セグメントは、①不動産管理事業、②物流投資事業、③アセットマネジメント事業の3つの事業に分かれています。

①不動産管理事業とは、物流施設や事業用物件を一括で借上げて、建物の修繕や運営サービスを提供するマスターリース事業を主としています。また、②物流投資事業とは、自社で買い上げた用地に物流施設を建設・販売する不動産開発事業や、依頼を受けてオーダーメイド型の専用物流施設を建設・販売する土地活用サービスを提供しています。

そして、③アセットマネジメント事業とは、2018年に上場したCREロジスティクスファンド投資法人の管理運営を行う事業で、アセットマネジメントフィーやファンド組成時に発生するアレンジメントフィーを収入源としています。

このように、シーアールイーは単に物流施設を建設・販売する会社ではなく、開発した物流施設の管理運営やファンドの組成・管理まで請け負う、物流系不動産に特化した総合サービス会社と言えます。

シーアールイーの通期業績推移

シーアールイー通期業績推移

マネックス証券より(クリックで拡大)

シーアールイーの業績は2015年4月以降ほぼ右肩上がりとなっています。2018年7月期と2019年7月期が減益になっていますが、これは大型物流施設の開発案件がなかったことが原因です。

シーアールイー-セグメント別売上高

マネックス証券より

シーアールイーは物流施設の開発に限らず、プロパティマネジメント、リーシング、アセットマネジメント事業を行っています。そのため、運営する物流施設の管理面積が増えるほど、マスターリース(不動産賃貸管理)事業からの収入が増加していきます。

したがって、大型開発案件の有無によって業績が大きく左右されるものの、基本的には長期にわたって増収・増益が見込める企業だといえます。

シーアールイーの今期の業績は?

既に21年7月期の業績予想を上回る利益を計上

シーアールイー21年7月期第2四半期決算短信

シーアールイー21年7月期第2四半期決算短信(一部略)より

シーアールイーは、第2四半期の時点で既に通期の業績予想を上回る利益を上げています。四半期純利益が赤字になったのは過去5年間で2期しかなく、それぞれの赤字幅も24百万円・102百万円と小さいことから、通期業績予想の達成は確実です。

21年6月11日の第3四半期の決算発表での、通期業績予想の上方修正が期待できます。

シーアールイーの今後の業績は?

管理面積の増加によって不動産管理事業が安定成長

CRE管理面積の推移

シーアールイー21年7月期第2四半期決算説明会資料より

先ほども述べたように、シ-アールイーは物件の開発だけではなく不動産管理(マスターリース)事業も行っているので、売却後も物流施設の運営収入が見込めます。開発案件をこなしていけば管理面積も自然と増加していくので、不動産管理事業の安定成長が期待できます。

上の画像をみれば明らかですが、物流施設の竣工に伴って管理面積が順調に増えていることが分かります。20年7月期のマスターリース事業による収入は23,060百万円、事業利益は2,164百万となっており、同決算期の業績の半分を占めています。

2024年頃までは大型開発案件が残っているので、少なくともそれらをすべて竣工するまでは、マスターリース事業の安定した成長が期待できます。

来期は大型開発案件がないため減収・減益の恐れあり、長期保有は避けた方が無難

CRE開発案件

シーアールイー21年7月期第2四半期決算説明会資料より

21年7月期はロジスクエア川越Ⅱ、ロジスクエア神戸西、ロジスクエア狭山日高の売却益が計上されていますが、来期はこうした物流施設の売却益が予定されていません。したがって、22年7月期は減収・減益となる恐れがあります。

含み損が膨らんでも構わないという人を除き、長期保有は避けた方が無難です。

シーアールイーの目標株価は?

シーアールイー過去5年平均PERとPBRの推移

マネックス証券より

シーアールイーの過去5年平均PERは15.3倍、平均PBRは1.55倍となっています。6月9日終値1584円を基に株価指標を計算すると、PERは14.9倍、PBRは1.65倍となるので、現在の株価は妥当な水準にあります。

今期の業績が上方修正されれば、10%~20%程度の伸びは期待できると思います。もっとも、来期の業績が減収減益となる恐れがあるので、20%を超えるような大きな伸びは期待できません。

シーアールイーのテクニカル分析

シーアールイー10年月足チャート

マネックス証券より

シーアールイーの10年月足チャートを見ると、好調な業績を受けて右肩上がりの上昇トレンドを描いていることが分かります。特に、今期は好調な決算が評価されており、上場来最高値に迫る勢いです。水色の抵抗線(1600円付近)を抜けると出来高の多い場所は見当たらないので、緑のラインまで一気に伸びてもおかしくありません。

シーアールイー6ヶ月日足チャート

マネックス証券より

ただし、来期は大型開発案件の売却予定がなく、減収減益となる恐れがあるので注意が必要です。上値を追う展開になるとは思いますが、株価指標なども考慮すれば上場来最高値を大きく更新することはないでしょう。

なお、当面の損切目標は赤の支持線になります。来期の業績予測が出るまでは、このラインを割ることはないでしょう。

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