誰でもわかる株価キャッシュフロー倍率|投資の知識

誰でもわかる株価キャッシュフロー倍率

誰でもわかる株価キャッシュフロー倍率|投資の知識

この記事のポイント
  • 株価キャッシュフロー倍率(Price Cash Flow Ratio)は、株価が割安かどうかキャッシュ・フローを考慮して判断する評価指標です。
  • 株価を一株当たりキャッシュ・フローで割って算出し、一般的に10倍程度が目安とされています。この数値が低ければ低いほど、低い株価で多くのキャッシュ・フローを生み出せる割安な企業であると判断できます。
  • 株価キャッシュフロー倍率を用いることで、高いキャッシュ創出力を持つ隠れた優良企業を簡単に見つけ出すことができます。

株価キャッシュフロー倍率とは?

株価キャッシュフロー倍率(Price Cash Flow Ratio)は、株価が割安かどうかキャッシュ・フローを加味して判断する指標です。

株価を一株当たりキャッシュ・フローで割って算出し、一般的に10倍程度が目安とされています。この数値が低ければ低いほど、低い株価で多くのキャッシュ・フローを生み出せる割安な企業であると判断できます。

マゼランファンドを運用し、1970年代から80年代の相場低迷期に年平均29.2%という驚異のリターンを叩き出したピーター・リンチも、この株価キャッシュフロー倍率を用いて投資を行っていました。

一株当たりキャッシュ・フローには営業キャッシュ・フローや当期純利益に減価償却費を加えた数字などが用いられますが、ピーター・リンチはフリー・キャッシュフロー(営業キャッシュ・フローから投資キャッシュ・フローを引いた数字)を用いた計算式を推奨しています。

なお、キャッシュ・フローに関してこちらで詳しく説明していますので、併せてご覧ください。

株価キャッシュフロー倍率の計算式

株価を一株当たりキャッシュ・フローで割って算出し、一般的に10倍程度が目安とされています。この数値が低ければ低いほど、低い株価で多額のキャッシュ・フローを生み出せる割安な企業であると判断できます。

一株当たりキャッシュ・フローには営業キャッシュ・フローや当期純利益に減価償却費を加えた数字などが用いられますが、ここではピーター・リンチが推奨するフリー・キャッシュフロー(営業キャッシュ・フローから投資キャッシュ・フローを引いた数字)を用いた計算式を提示します。

【計算式】

$$株価キャッシュフロー倍率=株価÷一株当たりフリー・キャッシュフロー$$

*{一株当たりフリーCF=(営業CF+投資CF)÷発行済み株式総数}

株価キャッシュフロー倍率のメリット

株価キャッシュフロー倍率を用いることで、隠れた優良企業を簡単に洗い出すことができます。一般的な株価収益率(PER:株価÷一株当たり純利益と計算される)を用いると、設備投資を積極的に行い減価償却費が膨らんだ企業は、利益が小さくなるため見向きもされません。

しかし、そういった企業の中には多額の減価償却費を計上するにもかかわらず、設備の更新費用をまったく必要としない高収益な企業が存在します。

例えば、レンタル事業を行う会社は多くの減価償却費が発生するものの、一度投資を実行すれば長期にわたって事業運営できるため、設備の維持や更新にあまりコストがかかりません。こうした会社は見かけ上の利益は少ないですが、手元の現金(キャッシュ・フロー)はどんどん増えていきます

このように、株価キャッシュフロー倍率を用いることで、高いキャッシュ創出力を持つ隠れた優良企業を簡単に見つけ出すことができます。

株価キャッシュフロー倍率のスクリーニングの仕方

楽天証券のスーパースクリーナーを使えば、株価キャッシュフロー倍率でスクリーニングをかけることができます。

楽天証券 スーパースクリーナー

楽天証券にログイン後、上のタブから「国内株式」を選択し→「スーパースクリーナー」をクリックします。

スーパースクリーナー-詳細検索項目

次に、スーパースクリーナー画面の左下部分にある「詳細検索項目」をクリックします。

詳細検索項目 株価キャッシュフロー倍率

その後、ポップアップ画面の「財務」から「PCFR(株価キャッシュフロー倍率)(倍)」をクリックすれば、各銘柄ごとの株価キャッシュフロー倍率が表示されます。

株価キャッシュフロー倍率 おすすめ設定

株価キャッシュフロー倍率は一般的に10倍が目安とされ、数値が低ければ低いほど割安と判断されます。ただし、数値があまりに低すぎるときは何らかの異常を抱えている可能性が高いので注意が必要です。スクリーニングをかける際は3倍以上にした方が良いと思います。

おすすめのスクリーニング設定は、株価キャッシュフロー倍率(3倍~)、売上高変化率(3年前年度比20%~)、売上高経常利益率(5%~)、有利子負債自己資本比率(~50%)という設定です。

売上高成長率を加えることで、持続的な成長力を持つ企業をスクリーニングすることができます。また、売上高経常利益率と有利子負債自己資本比率を追加することで、収益力が高く、財務内容が良い企業を探し出すことができます。

上の設定では各項目の数値自体をかなり絞り込んでしまっているので、数値を変更したり、新しい項目を追加して自分の投資手法に合う方法を探してみてください!

株価キャッシュフロー倍率のランキング

株価キャッシュフロー倍率(3倍~)、売上高変化率(3年前年度比20%~)、売上高経常利益率(5%~)、有利子負債自己資本比率(~50%)という設定で検索をかけると、株価キャッシュフロー倍率のランキングは下の画像のようになっています。

株価キャッシュフロー倍率 ランキング

1位の今村証券(7175)は、石川、福井、富山の北陸3県が地盤の独立系の証券会社です。株高の影響を受けて大きく業績を伸ばしており、株価キャッシュフロー倍率も3.9倍となっています。ただ、長期的な業績が頭打ちとなっているので、投資は控えたほうがよさそうです。

2位の三益半導体工業(8155)は、信越化学からウエハ研磨加工を受託しています。使用済みウエハの再生に関して世界1のシェアを有しており、半導体関連装置の開発や販売も行っています。業績は長年安定しており、株価キャッシュフロー倍率も4.1倍と割安なため、長期投資に適した銘柄だと思います。

3位の日本ケアサプライ(2393)は、福祉用具レンタル卸の大手で東証2部に上場しています。三菱商事と綜合警備保障が大株主となっており、経営は比較的安定しています。福祉用具のレンタル事業は需要も見込め、株価キャッシュフロー倍率も4.2倍と割安なことから、この銘柄も長期投資に最適だと思います。

株価キャッシュフロー倍率を用いることで、高いキャッシュ創出力を持つ隠れた優良企業を簡単に見つけ出すことができます。ぜひ検証ください!

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